大学入試完全対策シリーズ

Last-modified: Thu, 01 Aug 2024 14:55:04 JST (103d)
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駿台文庫の出版する大学別過去問題集やセンター試験共通テスト過去問題集、実戦問題集のシリーズ。表紙の色から青本と呼ばれる。*1

大学別過去問題集 Edit

  • 出版されている大学は旧帝大、神戸大、東工大、一橋大、早慶の各学部である。
  • 各科目1~5人の講師で編集されている。参考書としても使えるようにとの意図から、解説が質量ともに充実している。
    • 三輪純也師曰く、青本は執筆者の名前が載るため下手に手抜きができないそうである。また、普段の授業と同時進行で行われるためかなりの負担であるらしいのだが、その割にあまりお金はもらえないらしい(実際、師が書いた早稲田大学政治経済学部の古文の解説は非常に丁寧である)。
    • 早稲田大学法学部のある年度の現代文の解答は全て間違っているとの事(つまり0点。)。解答速報の段階では駿台河合塾の解答は一致していたが、青本の執筆者が青本を作る際答えを全て変えたらしい。
    • 設問が複数の意味合いでとれるような場合、記号選択問題であっても赤本や大学公表の解答"例"(東大『出題意図と選択式問題の解答例』)などと異なることがあり、たいてい青本の解説には考え方の根拠が複数記されている(たとえば東大2023・地学第2問「風向」「風向き」の定義など)。
  • 物理では微積分を使っているので注意。
  • 駿台講師の全員が青本を支持しているわけではなく、赤本派の講師も一定数いるようだ。
    • 掲載年数が少ないことや、レベルが高すぎる場合もあることから、特に直前期には赤本の方がこなしやすいという意見がある。
    • 先述の通り講師複数人が時間をかけて考える綺麗な解答を受験生が制限時間内に書けるわけが無いだろうと仰る講師が複数いる。
  • 国公立大学に関しては、前期試験のみ対応している。
    • 東大のみ後期試験にも対応していたが、同大学の後期試験廃止に伴い廃刊となった。
    • したがって、これらの大学の後期試験の対策が必要な場合は赤本を購入することになる。
    • 尤も、近年は旧帝大を中心に後期試験が廃止されつつあるため、影響を受ける学生はあまりいないであろう。
  • かつては明治大学・中央大学の法学部のものも出版されていた。
  • 通常このような過去問集は実際の入試問題と一字一句どころかフォントまで揃えて作成されるが、青本は明朝体のフォントにモリサワ社製「リュウミン」を採用している。東大など多くの大学は「平成明朝体」を採用しており、赤本もこれに準ずる。なお森下師がLaTexで原稿を提出されることが理由であるかは定かではないが、同師の執筆範囲はフォントがこの限りではない。
  • 尚、最新年度の青本は校舎に置いてあるものの、売っているという理由で貸し出してくれない。しかも、東大の青本ですら最新版だけが置かれていなかったりする。
    • 併願などを考えている人は注意。
  • バックナンバーは進学情報ルームからパクられやすい。

東京大学 Edit

  • 1982年発行開始。*2
    • 初版は、1980年、1981年の2年分を収録。当初は1巻のみであったが、収録年度数の増加に伴い1993年から下巻を発行している。これ以降は上巻5年分、下巻5年分が常。
  • 2001年版から元号表記(例:平成11年版)を廃し西暦表記(例:2002年版)へ。同時に英語のリスニングCDが付属となる(上巻のみ)。
  • 現代文の解説は駿台内外の様々な講師から批判の対象となることが多い。

京都大学(文系/理系) Edit

  • 英語を執筆している桜井博之師について久山道彦師が京都校に出講していた頃からの同僚で、本当に信頼の置ける講師であると称賛していた。
    • 批判魔である竹岡広信師も京大の青本に関しては賞賛の声を送っておられる。
  • 秋本吉徳師は古文の解答について頻繁に批判しているが、プロセスを意識した解説になっており、受験生が自力で学習できるようになっている。
  • 東大と違って現代文の評価はかなり高い。模範解答の評判も上々。
    • 解説が非常に優れており、「どうアプローチするか」「なぜこの要素を書くのか」「どう答案を構成するのか」といった詳細なポイントまできめ細かく書かれている。
      • ここでも松本孝子師の解答解説のセンスが光っている。
  • 化学石川正明師が関わっているため評価は高い。
  • 生物大森徹師が関わっているため評価は高い。
    • ちなみに赤本の『東大の生物』は元代ゼミ講師の大森先生なので要注意。
  • 日本史塚原哲也師が担当しており、とても評判が良い。
    • ちなみに師は赤本の『東大の日本史27カ年』も担当しておられる。日本史選択の東大京大志望者にとっては鬼に金棒である。
  • 世界史に関してはやや批判の声が聞かれる。
    • 中谷臣師はブログ等で青本の解答(ついでに実戦模試も)ボロカスに批判しておられる。
      • 中谷師のブログでは師なりの模範解答も載ってあることが多いので見比べてみると良い。
  • 以上より、赤本を買うくらいなら確実にこちらを買うべきである。
科目執筆講師
英語桜井博之
塚田潤
丸山民生
表三郎(1988、1984)
大田博司(1988)
福崎伍郎(1988)
数学杉山義明(2017〜)
森宏征(2017〜)
米村明芳(〜2016)
上田淳巳(1988、1984)
現代文松本孝子
金森光昭(1988、1984)
浜千代清(1988、1984)
古文前田春彦
田中重太郎(1988、1984)
三村晃功(1988)
物理三幣剛史(2018~)
新田克己(~1988、1984)
田中千足(1988、1984)
化学所裕之
石川正明(2017、1988、1984)
星本悦司
北山一(1988、1984)
生物大森徹
伊藤和修
川端三郎(1988、1984)
地学小川喜弘(2017、1988、1984)
日本史塚原哲也
世界史相田知史
川西勝美
林秀範

小林勇祐
地理小松英介
高崎弥昌

一橋大学 Edit

  • 現代文の解答に関しては内野師は不満があるようだ。
    • 内野師が執筆しないのは謎である。
  • 英語の解説は小林俊昭師が担当。現状、駿台外部生でも入手できる数少ないコバトシ師の著作物の1つである。
  • 東大京大と同じように詳解シリーズで出して欲しいという声も多い。
  • 2021年度までは5年分の収録だったが、2022年度版からは3年分に減ってしまった...
    • くれぐれも廃刊にならないでほしい。

参考

2021年から一橋大学が倫理、政治経済を出題しなくなったため、青本過去問題及び回答は載っていない。

東京工業大学 Edit

  • 2021年度までは5年分の収録だったが、2022年度版からは3年分に減ってしまった......

北海道大学(文系/理系) Edit

東北大学(文系/理系) Edit

名古屋大学(文系/理系) Edit

科目執筆講師

大阪大学(文系/理系) Edit

  • 2022年度までは5年分の収録であったが2023年度版からは3年分に減ってしまった。しかも値上げ……
  • 特に英語の解説がとても詳しく,充実している。

九州大学(文系/理系) Edit

神戸大学(文系/理系) Edit

  • 青本にしては解説はあっさりしている方。赤本とどちらが良いかというと何とも言えない。
  • 近年の理系の数学に関しては大学への数学の特集で米村明芳師の解答が掲載されているので参考にしたい。
科目理系文系
英語中西稔人
数学川村一彦
藤井雅之(2018)、戸谷隆雄(2014〜2017)
物理中田正教
牛尾健一(監修)
化学伊達正人、淵野英俊岡本富夫高田幹士、千葉一己
生物平賀かつ子、大森徹、堂前喜章
地学中川、小川喜弘
現代文池上和裕
古文菅野三恵
漢文小笠智章

慶應義塾大学 Edit

  • 文学部・商学部・SFCのものが無いのは作っても利益が出ないからという極めて身勝手な理由によるらしい。志望者は多いはずなのに全く愚かしい話である。
  • 医学部のみ8年分で6000円弱と、圧倒的な分量と値段である。赤本よりはこちらをやるべきだろう。

早稲田大学 Edit

  • 2021年度用の政治経済学部のものは入試制度変更のために出版されなかった。一部書店では今年も2020年度用のものを販売している。
  • ある年の教育学部の現代文の解説では、多田師によって大学側の設問の不備をボロクソに批判されている。そして大学側が提示した解答とは異なる解を青本に記している。
    • なんでも著者に問い合わせて確認までしたんだとか。著者自身もWeb上で大学側の解答に難色を示していた。
    • 解答速報では大学側の模範解答・河合塾/代ゼミの模範解答・駿台の模範解答の全てが食い違っていた。
    • 著者自身の導出した解は駿台の解と同じだったそうな。
    • ちなみに赤本の解答は大学側の解答に合わせてあり、なんとか大学側の解答に沿うよう天下り的な解説がなされているが、それでも一部の設問の趣旨には疑義が呈されていた。無論多田師の解説の方が質が高いのは言うまでもない。
      • 多田師以外にも教育学部の現代文の問題は批判されている。

駿河台大学 Edit

  • 基本的に最上位大学の入試問題しか採録しないが、唯一のFラン大学(駿河台大学)の青本である。大人の事情で採録している。
  • 何故か執筆講師の質は現代文を除きそこまで悪くない。その上ほとんどの科目が解説はなく解答の羅列のみであった
  • そこらへんで無料配布していることすらある。
  • 2018年用を最後に出版されていない。

東大入試詳解シリーズ Edit

京大入試詳解シリーズ Edit

  • 教学社の「難関校過去問シリーズ」に対抗して出版された京大の科目別過去問集。
  • 2020年3月発売開始。
  • 2020年度より、かねてから要望の声が高かった『京大入試詳解シリーズ』が刊行されることとなった。赤本の京大25カ年を本格的に潰しにかかってるのがわかる?

実戦模試演習 Edit

*3

  • 大学別の実戦模試の過去問集。問題と模試で実際に配布された解答、講評が掲載されている。
  • 基本的に各大学の青本の執筆講師陣が中心となって書かれている。(問題作成など全てではない)
  • 過去問の方を優先すべきだが、演習量を増やす目的で取り組む、というやり方が一般的である。
    • 特に、東大英語と東大理科は必須級である。セット演習でも伸びる試験だからである。

東京大学 Edit

  • 科目によって掲載されている年度・回が異なるため、数年分購入しても全ての回が揃うわけではない。
    • 具体的には、英語は第1回を、それ以外は第2回を、英語国語は5回分、数学は6回分、理科社会は3回分収録している。
      • 高1東大志望者は、夏のアプデが入るまでに一旦買い揃えておくとよい。貴重な演習量を確保出来る。これは、オープンやプレの過去問集でも同様である。
  • 季節講習は東大実戦の問題が多いので注意。特に直前期の東大日本史はすべてここから出る。
  • 実戦模試演習 東京大学への英語
  • 実戦模試演習 東京大学への国語
  • 実戦模試演習 東京大学への数学
  • 実戦模試演習 東京大学への理科
  • 実戦模試演習 東京大学への地歴

一橋大学 Edit

京都大学 Edit

  • 実戦模試演習 京都大学への英語
  • 実戦模試演習 京都大学への国語
  • 実戦模試演習 京都大学への数学
  • 実戦模試演習 京都大学への理科
  • 実戦模試演習 京都大学への地歴

東京工業大学 Edit

大阪大学 Edit

共通テスト過去問題集 Edit

*4

  • 収録年数が少ないのが難点。
  • 最新年度の追試の年数は赤本、黒本等に勝っている。(ただし地歴公民には付いていない)。
  • サイズはB5でバラして使うとコピー代より安くて良い。
  • 地理は掲載年数は少ないが、解説がテキストになる。
  • 地学の出版はない。
  • 直前チェック総整理」という重要事項のまとめが非常によくまとまっている。

共通テスト実戦問題集 Edit

*5

  • 過去の「駿台共通テスト模試」や「駿台atama+プレ共通テスト」を再編集した問題集。
  • 収録年数が少ないのが難点だが、サイズはB5でバラして使うとコピー代より安くて良い。
  • 直前チェック総整理」という重要事項のまとめが非常によくまとまっている。
    • 過去問題集にも付くようになった。
    • 化学生物世界史、倫理はよくまとまっている。
    • 特に世界史はテーマ別にまとまっており、まさに最終チェックとして抜けを埋めることができる。
      • が、全分野において網羅的とは言えないので、これを指標に学習はすべきではない。あくまでチェックである。

共通テスト実戦パッケージ問題 Edit

共通テスト実戦問題 パックV Edit

  • いわゆるパックV。詳しくはこちら
  • こちらは一般販売はしておらず、高卒校内生あるいは高校専売である。

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*1 駿台文庫五十年のあゆみ』42頁
*2 駿台文庫五十年のあゆみ』46頁
*3 駿台文庫五十年のあゆみ』47頁
*4 駿台文庫五十年のあゆみ』57頁
*5 駿台文庫五十年のあゆみ』56頁