高橋善昭

Last-modified: Sun, 26 Feb 2023 21:05:06 JST (626d)
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高橋善昭(たかはし よしあき)は、元駿台予備学校英語科講師。元横浜校校長。元英語科主任(1991-2003)。元駿河台大学講師。

経歴 Edit

授業 Edit

  • 英語構文ならびに上級英解、基本英解の授業は、変形生成文法に基づいた非常に論理的な授業であり、マニアックであるとさえ評された。
  • 英作文を教えていたこともあり、こちらの指導法にも定評があった。
  • 授業内容は非常にアカデミックであり、学校文法とは一線を画する高度な物であったが、分かりやすく、あとからでもちゃんと師の思考過程を辿ることのできるビジュアルな板書をし、重要なことは繰り返し説明するなど、高校生であっても基礎力さえあればちゃんと理解できるよう工夫されていた。
  • 比較や倒置、省略、挿入などの特殊構文など、曖昧な部分を暗記やフィーリングで補っていたような箇所も、別の角度から論理的に解説しスッキリ理解させる授業であった。それゆえ、高校レベルの英語の内容を理解していてもなお目から鱗な解説が多かった。普通の高校の教員ではおいそれと踏み込めないであろう内容であり、まさに「予備校の授業」という感じであった。
    • 読解や解釈のみならず英作文にも応用の効く考え方であった。
    • 自著の「英文読解講座」の「研究」部分、「英文和訳講座」で垣間見れるかもしれない。
  • 特に、夏の上級英解は、基本の段階をクリアした生徒にたいし、難解な英文を正確に解釈したり、超長文を速読する、パラグラフリーディングする、などのための上級レベルの基礎が凝縮された講座であった。授業は、これらを方法論、テクニック、ポイントなどと称して具体的に箇条書きにしてこうなんだよと提示するのではなく、実際の問題を通じて実践的に鍛え上げてゆくスタイルで、予習など大変ではあるがキチンと取り組んでいれば自然とそれらが身につく授業であった
  • 東大英語などの対策教材においては構文系の授業とは対照的に、合格に必要な学習法や設問別の解法などを具体的に提示していた。
    • 大意要約の解法などに定評があったが、構文の授業に比べやや師の持ち味が生かし切れていない印象であった。
    • ある程度読んで訳せるレベルの学生を想定しているため、基本的な説明は割愛された。
  • 授業は非常に速く、特に構文や上級英解の授業においては全ての文章をほぼ略さずに板書し、構文を分析してゆくスタイルであった。そのため、板書のスピードは非常に速く、量も多かった。
  • 文中に現れた単語の語源や発音・アクセントなどに軽く触れつつ、難解な構造の英文の構造をひたすら解析していく授業で、関連事項の整理などはほとんど行わずなかった。
    • 構文の授業であっても、関連事項に丁寧に言及してゆく佐藤治雄師とは対照的であった。
  • 通釈をテキストに掲載しないばかりか、訳を読み上げるスピードが非常に速く、全てを書き取ることは困難であった。
    • 英文の構造が分かれば読んで訳せる、という師の指導法に対する自信の一端が現れていたのだろう。
    • ただし1990年冬期の『上級英解演習(高橋講座)』には資料という形で扱った文章の全訳が記載されていた。
  • 学習法に関しては”駿台英語科の提示する方法にしたがってほしい”との考えであり、駿台新聞や授業中に折に触れ学習法についてのアドバイスを行った。
    • 英文法頻出問題演習(英頻)をまずは一日で全ての問題をざっと解いてみて、分野ごとの正答率の分布をしらべてみる、というやり方を推奨していた。前期の授業ではこれが完了したかどうかを毎時間のように生徒に手を上げさせて確認した。
    • 東大英語のテキストには過去20年ほどに問題文に出現した単語とその頻度のリストが添付されていた。このリストを短時間で最初から最後までチェックし、知っている単語を蛍光ペンで塗りつぶす、という作業をその都度蛍光ペンの色を変え時間を空けて何度か繰り返すことで、知っている単語は(色が重なり)黒く塗りつぶされ、東大に頻出する単語でまだ覚えていない単語のリストができあがる、というデリートメソッドを提唱していた。
    • このようにシンプルながら実用的な戦術を提示する師であった。
  • 全般的な考え方として「戦略」「戦術」「武器」を与えることに徹していた印象。語彙力の増強、文法問題のドリル、多読して演習量を増やすといった学習量に依存するものは、やり方のみ簡潔に指導し、生徒の自発的学習に委ねていた。「これだけやれば受かる」みたいなことも言わず、ハッパをかけたり危機感を煽るような発言も少なかった。生徒を大人扱いしていたのだろう。このような考え方は、師のみならず、伊藤和夫師、奥井潔師など大御所講師に多かった。
     

担当授業 Edit

  • 主にお茶の水校で最上位クラスを中心に出講。
  • 90年代半ば以降、通常授業では英語構文S、講習会では東大英語、上級英解(高橋講座)、基本英解(夏期のみ)を担当していた。
    • 上級英解(高橋講座)は師の指導法のエッセンスが凝縮された講座であり、最盛期には夏期講習においてお茶の水校で10講座近く開講され、その全てが締め切りとなるほどの人気講座であった。
      • 英文を背景まで含め深く味読し解釈する趣旨の上級英解(奥井講座)、上級英解(長内講座)とは完全に毛色の異なる実践的な講座であり、現役生でも受講しやすかった。
    • 80年代までは長文読解系の授業も多く担当していた。
  • 晩年は東大英語のみを一人で担当。主任としての職責を全うした。その後は合議制に移行。

通期 Edit

  • EXERCISES IN ENGLISH COMPOSITION A-I
    • 午前部理1α 3号館 1988年度
      • B-Iは増田師、文1αは倉谷師。

講習 Edit

冬期講習

  • 上級英解演習(高橋講座)
  • センター英語ファイナルチェック(サテネット講座)

直前講習

  • 慶大(文)プレ英語演習1994

特設単科 Edit

人物 Edit

  • 斎藤資晴師が担当する以前は英語構文Sのテキストの作成者。
  • 横浜校校長。後任は斎藤資晴師。
  • 駿台の内外の環境が激変する中、伊藤和夫師という巨人の後任として、英語科主任を務めた。
  • 苦しい中で、テキストの編集や参考書の共著、自著の校正を通じて、当時は若手だった現在の英語科主力講師を育成した。
    • 自著の「英文和訳講座」には斎藤資晴師の名前もあり、「必修英語構文」にも名を連ねている。
    • 師の主任時代は、1990年代後半の駿台の経営危機が表面化した時期と重なり、多数の講師が代ゼミ、河合塾、東進に転出もしくは兼任をはじめるなど、一時的に駿台の経営基盤が弱くなっていた時期で、英語科も例外ではなかった。
  • "Be Aggressive.(積極的であれ)"と至る所に記していた。敗北主義的な考えを嫌い、今やれることは全てやるべきである、との考え方であった。
  • 仕事が楽しくて仕方ないと、ワーカホリック(Workaholic;仕事病)を自認していた。
  • ヘビースモーカーでよく言えばダンディーな声、悪く言えばだみ声であった。
    • 師の声は「必修英語構文」「パーフェクトリスニング」に収録されている。
    • 休み時間にはいるとキリの良いところで「ニコチンブレイクしようか」といい講師室に引き上げていった。
    • 一度に2本のタバコをくわえている姿がしばしば目撃されていた。
    • 「休み時間はニコチンを吸い込まないと頭の調子がどうも…」と公言しており、質問時にもタバコくさいことが難点であった。
  • 「高校英語研究」(研究社)に連載を持っており、連載後に単行本化されていた。
    • 新装版として復刊された。
  • ある時、二重限定よりさらに限定している英文が存在するのかが気になり、2年間探した末に三重限定されている英文を発見したことがある。(武富師談)
    • 武富師「見つけたのが余程嬉しかったんだろうね。教材にその英文を載せやがったんだよ。教える方からしたらたまったもんじゃない(笑)」

発言集 Edit

  • 「やるだけやってこいよ、だめったらば、またここで一緒にやろうじゃないか」
  • 「チンパンジー10匹にマークシートの塗り方を教えて上智を受験させたら、2~3匹は合格する。」

著書 Edit

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*1 高橋善昭のよくわかる英文構造ロジック