霜栄

Last-modified: Fri, 11 Oct 2024 22:23:21 JST (23d)
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霜栄(しも さかえ)は、駿台予備学校現代文科講師。津田沼校校長1号館,3号館,池袋校,横浜校,津田沼校に出講。

経歴 Edit

  • 京都府出身。
  • 東京大学文学部独文学科卒業。
    • 卒業論文のテーマは「生きることの弱さ――『城』を巡って」
  • 元 早稲田ゼミナール講師。

授業 Edit

  • 論理に徹底的にこだわり、客観性を何よりも重視する授業。
    • 全体の構造を把握する事を重視。
    • 小説を読む際でも勘やフィーリングではなく、同じように論理的に文脈を追いかけようとする姿勢を重視。
    • 特に前期授業においては、生徒に文章の要約をするよう指導。
      • 後期授業においては、引き続き要約の指導も行うが、講義は解答を導く事に重点を置いた講義を行う。
  • 授業を受けてから現代文への姿勢が180度変わった生徒も少なくない。
    • 一般的な解法を提示し、模範解答の構成は説明するものの、基本的には、論理的に読めれば答えられる、というスタンスで、別解に触れることや採点基準となる解答要素などの解説はあまりない。
    • 師の答案に似せようとするのではなく、授業中に解説される思考のプロセスを追いかけることで、自分の読解力や答案作成力を向上させることを意識すると良い。わからないところは自分で噛み砕いてから質問に行くべきである。
    • ただ、徹底した論理的読解を前提としているので、いわゆる「読めれば解ける論者」とは一線を画している。小手先のテクニックに固執しない「正直」な現代文といえよう。
  • 本文のテーマとメッセージをつかむことを最重要としている。この考えが講習の現代文Revolutionに繋がったのだろう。
  • 黒板を左右から使用するスタイル。板書は3つの要素(構造的要約、ポイント、要旨)で構成されている。
    • 板書量自体は少ない。口での説明はかなり多いので、慣れないとノートをとるのは難しいだろう。特に小説の読解やマーク式の問題解説ではほとんど板書せずにどんどん進むので気が抜けない。
    • ノートとは別にテキストのコピーを取って、そこにメモを取ることをオススメする。
  • 気が向くと、マイクを持ちながら生徒を当てて回る。
    • 主に小説の授業の時に行い、「この人物のこの時の心情は?」などと聞いて回るが、生徒の回答にその都度反応し面白く茶化したりするので、教室内は一種の大喜利大会のようになる。
  • 授業を進めつつも、言葉のおもしろさを伝えたいという意図から、言葉による笑いを生徒に提供している。授業中に行う例え話は大島保彦師が舌を巻くほどでとても面白い。
    • 例え話のほかにも浪人時代の話もしてくださり、これもとても面白い。
    • また学習生活に応用できる話も。師の話は面白いことだけに留まらないのだ。
  • 生徒の出席率が非常によい。
  • 講習のライブ授業では、テストゼミ形式の授業が多い。
    • 1限目にテストがあるため通常の形式では不可能な校舎移動も可能となっている。すなわち、後述の「しもる」ことができる。
  • 師作成のテキストは、電車の中でも読みやすいようにという配慮のため、多くの予備校テキストと違いA5判を採用していることが多い。
    • 現代文解答力の開発AL講座(高卒生専用)などはB5版だったりする。
    • また、師が作成したテキストの末には小説の抜粋を付録していることがある。授業中にその解説を行うことがある。季節講習のテキストには自身が執筆した小説が掲載されていることもあるが、これは授業で使用することはない。
  • 駿台流のイイタイコトに対し、キキタイコトと表記していた。

担当授業 Edit

通期

夏期教育セミナー(高校教員向け)
  • アクティブ・ラーニング 国語総合への誘い
  • ジャンル<評論・随筆・小説>横断の思考力
イベント

人物 Edit

  • 関東現代文科人気No.1講師。
    • Mr.現代文」と呼ばれる。
    • 実力No.1と言われる内野博之師と比較して評されるのは、内野師が「現代文を得意にする授業」なら霜師は「現代文を好きになる授業」である。
      • もちろん苦手意識は払拭され偏差値が改善されない訳ではない。
    • 関西の中野芳樹師と共に駿台現代文科の二大巨頭として君臨している。
      • その割に東西間の仲は悪いのだが
      • ちなみに、一般的には二大巨頭というと中野芳樹師と東進の林修氏であるといわれている。
    • なお、現代文科人気No. 1でありながらも、公式の東大青本執筆者ではない。
      • しかし、稲垣伸二師を代表にしながらも実際は五名の講師で共著しているとのことなので、恐らく師も参加はしているだろう。
  • 師がここまで有名になった一番の要因は何と言っても氏名であろう。インパクトが強すぎる。
  • 駿台現代文科に光り輝く男。何かと若々しい男。それが霜栄である。
  • 駿台初のアクティブラーニング講座を開設するなど、駿台のなかで最も先進的な取り組みを行う。
  • システム英単語の著者として有名な関西圏の駿台英語科講師霜康司師は実弟。
  • 質問対応はとても丁寧。優しい語り口でわかりやすく教えてくれるので気兼ねなくいくべし。
  • 「しもる」ということばを大島師などは使う。意味は「テスト演習が1コマ目だから遅れて出勤する」ことである。
    • 2限目開始5分前にまだ講師室に居ないこともしばしば。
      • 限度がある。まぁ名物講師とはそういうものなのか。
  • 時任三郎のような声である。
  • 髪や服がかなりオシャレであるためデザイナーや美容師だと勘違いされたこともあるそうだ。福井県に行った際には「眼鏡のデザイナー」とも。
  • 多くの講師が師のことをネタにする。大島師などは勿論、上野師も古典文法の解説で登場させたことがあった。
  • 霜栄という自身の名前を「自分だったらこんな名前付けませんね」とネタにする。
    • 子供のころに「シモザカエ、苗字だけじゃなくてちゃんと下の名前も書け」と塾の教師から怒られたことがあり、苗字と名前の間にスペースを入れることの大切さを実感したという。
    • 師の父は当初「霜寿」という名前をつけようと思っていたらしく、師は「こう考えると霜栄でよかったのかなあと思います」とおっしゃっていた。
    • 大島保彦師は駿台で初めてこの人の名前を見た時、中国人が現代文を教えるのかと思ったとか。
  • 小学生の時の国語教育に対してのトラウマがあるらしく、 日本の初等教育における現代文の扱われ方、すなわち主観的読解を優先する国語教育に対して批判的である。その反発から、論理的(≒客観的)な読解を教授することに力を入れている。
    • 初等教育に関しては北欧などの教育制度を高く評価している。
  • 入試現代文における小説の扱いに不満があるようで、小説の重要性と共にその改善を訴えている。
    • 例えば、センター試験では論説、小説の配点が50点ずつであるが、師は小説の配点をもっと高くしてもよいのではないかと考えている。
      • そんな師の宿願が桐原書店に伝わったのか、2024年にめでたく「小説」に特化した共通テスト向けの参考書が出版されることとなった。
      • 師が小説の講義で重要視される「場面分け」を主軸に、共テ形式の問題で読解力を〝開発〟する入魂の一冊(らしい)。
      • 小説に特化した参考書はあまり類を見ない。苦手な学生も多いことから、救いの一冊になる事が期待される。
  • 板書はレイアウトがきれいなためかほとんど気にならないが、手書きのプリントなどを見ると字がかなりぎこちない。無論、読みづらいことはない。
  • 東京大学文学部科学哲学科教授の野矢茂樹氏は、著書『論理トレーニング』の中で、師の『現代文読解力の開発講座岡田寿彦論文って、どんなもんだい』の二冊を取り上げ、賛辞を送っている。
    この二冊は大学入学後に買っても遅いということはないかもしれない。
  • 一方、早稲田大学教授の石原千秋*1氏は著書『教養としての大学受験国語』の中で駿台現代文科を代表させて霜師を名指しで批判している。
  • 東大の教養課程では鉄の歴史をかなりディープに勉強し、その起源から現代に至るまでを知って、当時は「鉄ってスゲー!!」という感動を味わったらしいが、今では殆ど何も覚えていないという。
  • 20年ほど活け花をしているらしい。たまにヒップホップダンスもしているとか。想像がつかない…。
    • 活け花はたまに褒められることがあるが、ヒップホップではまず褒められることはないそうだ。
  • あるクラスの前期の最終講では、高村光太郎の処女作『道程』を紹介する際「それにしても処女作が『道程』っていうのはどういう事なんでしょうねぇ〜」と言ってのけた。
    • 女子も多いクラスではあったが、教室は大爆笑だった。
  • 2016/2017年度2次・私大演習では、NHKが師の担当したスーパー現代文に取材に入った。授業風景を撮るために、テスト演習中にも関わらず解説の一部をさせられていた。何かとメディアに絡まれる男である。
    • 「勘弁してくれよ~…」(OKが出ず3度目の解説をなさった時)
  • 2017年の春期講習のパンフで写真が更新され格好よく(?)なった。
  • 講習のライブ講座は人気が高く早々に締め切りとなる。その代わりに、様々な種類のオンデマンド講座を多数担当されている。
  • 師が早稲田ゼミナール兼任だったことから、「現代文が弱点だった駿台が、他予備校のトップ講師をスカウトした」かのように一部で誤解しているが、あくまで師が駿台内で出世したのであり、引き抜かれたわけではない。
    • 早稲田ゼミナールでは平山三男講師の陰に隠れてイマイチであった。
  • 講習期間中は午前の授業が横浜校、午後の授業が津田沼校ということがよくあるため横浜校での質問対応はドタバタである。
    • 通期のとある曜日にもこのようなことがおこる。夜の時間にすればいいのに。
  • 基本的に授業中はですマス調で話す。
  • 大島師は授業で霜師の話を良くするが、霜師はほとんどしない。
  • 小学生の頃は国語がどういうことをする科目なのかが理解できなくて一番の苦手科目だったらしい。
  • https://www.jukushin.com/archives/40179 には、師の現代文に対する思いが垣間見えるので、読んでみると良いかもしれない。
  • 大学時代はドイツ語の専攻。大島師はえらくミスマッチで合わないと仰った。
  • 雲Kが人の気持ちを考えて発言しましょうって言ったり、雲Tが下を向いてウロウロしてるぐらい変だよ」

著作 Edit

wiki内リンク Edit

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*1 石原千秋氏はかつて一世を風靡した現代文参考書『新釈 現代文』(新塔社、1959年/ちくま書房、2009年)の著者である高田瑞穂成城大学名誉教授の弟子筋に当たる人物である。