福井紳一

Last-modified: Mon, 05 Jun 2017 23:13:46 JST (18d)

福井紳一(ふくい しんいち、1956年 - )は、駿台予備学校日本史科講師。3号館,大宮校,横浜校,藤沢校に出講。

経歴

  • 慶應義塾高等学校卒業。
  • 慶應義塾大学文学部卒業。
  • 明治大学大学院文学研究科博士前期課程修了。
    専攻は日本近代思想史。
  • 駿台予備学校で日本史を教えるかたわら、立教大学・日本獣医生命科学大学・敬愛大学で非常勤講師、早稲田大学アジア太平洋研究センター特別研究員もつとめる。

授業

  • 昔からの駿台日本史科の人気講師で、現在の日本史科のまとめ役である。
  • 提供される情報量は膨大だが暗記を強いるのではなく、知識として体系的に理解することを求める授業で多くの受験生から熱狂的な支持を受ける。
    • 下記に詳細に書いてあるように、かなり左翼色の強いが、ガチ右翼な受講生、あるいは中道右派くらいの受講生でも、師の授業自体は深みがあるので受講価値があると評価してる人が多い。むしろ、左翼的雑談が楽しくなってくる。
    • 特に、土地制度や経済史に関する説明は、最終的には歴史的・経済学的な専門用語を使うのだが、日常使う言葉にまで一度落として説明してくれたり、大局的な視点から整理してくれたりして、大変分かりやすい。(初期荘園を田舎のスナックとたとえるなど)
    • 「歴史を見ることは現在を見ること。社会に対する鋭い目と視線を低くした人間に対する温かい目を養おう」という立場に立脚した、受験のための詰め込みだけではない考える日本史を講義している。
    • 吉本隆明(福井師が青年だった時に特にカリスマ的人気だった、左翼思想家。現在の内田樹の立ち位置に近い)から影響を受けているようで、例えば「転向」についての解説は吉本の「転向論」に拠るなど、単純な受験知識を超えた駿台らしいアカデミックな一面も伺わせる。
    • 一方で彼の語る歴史観がマルクス主義・左翼的な位置からであること(自由民権運動は「下からのブルジョア革命運動」である、という説明や天皇制についての言及・認識など)、予備校という受験対策の場で現代社会への問題点を提起し長時間授業を延長することへの批判もある。
  • 板書を殆どせずテキストに書き込みをさせるスタイルである。ちなみに字は癖字で読みづらい。
  • 完全に駿台の時間割を無視した授業スタイルを展開する事で知られる。師にとってキリの良い所で休み時間となり、3コマ目では時に2時間以上講義を延長することもある。
    • そのため、夏期講習の2コマ目(13:40~16:30)は16:58まで授業をやることもあり、福井師の次のコマに講座をいれるべきではない。同じ時間帯でやっているハイグレード講座よりも授業が終わるのが遅いことがしばしばある。
      • 2コマ目の授業の際は、3コマ目に師の授業が入っているかパンフレット等で確認しよう。3コマ目に師の授業が無ければ、(かつ他講座による教室使用もない)3コマ目に食い込む事もある。
      • 師には内緒だが、少なくとも3号館では昼コマ師の授業が入ると、あえて夜コマに他講師の授業を同じ部屋に入れることで延長を休み時間内に抑え込んでいる様である。
  • 18時から授業が始まる場合は22時前くらいに終了するのが恒例で、既に校舎内の他の階は照明が落とされ真っ暗になっている。職員も内心さっさと終わらせてほしいと思っていることだろう
  • 講習の夜コマの最終日では、電気が消えているどころか、正門が閉まっていて、裏口からでなければならないことさえある。
  • 朝一じゃないと講師ですら福井師には会えない。(大島師談)
  • 大島師は講習期間中は途中入室を嫌うが、福井師の授業が前コマだった場合は、親指をたてて激励してくれる。
  • 本来は3,4限が授業のはずなのだが、昼休みはおろか5限開始5分前まで延長したことがある。
  • 50分で授業を終わらせる気がないなら90分の河合に行ったほうがいいのではないだろうか。いや、それでも時間が足りないだろう。
  • 季節講習の宣伝だけで1コマつかったり、(通年の授業で)受講生同士の自己紹介に1時間まるまるかけたりする一方、生授業では大幅に延長する授業でもオンデマンドでは定められた時間内に説明しきることから察するに、時間通りにおさめようという気があまりないのかもしれない。
  • 講習の宣伝にも1コマ分使ってじっくり説明する。独学は考慮せずにあれもこれも取った方が良いと仰る事が多い
    • もっとも、基本的には生徒の学習効率を第一に考えていらっしゃるので、師がその生徒の成績事情(日本史に限らず全教科)を十分に知っている場合には日本史にかける時間を数学に回した方がよいなどの助言と併せて「講習は取らなくても良いよ」と仰ることもある。
  • 左翼的な雑談の多さでも有名。詳しくは下記人物を参照。
    • とはいえ、人柄同様、自らの政治的思想を押し付けることはせず、あくまで自分の頭で考えることが大事だという立場を取っている。師の主張を全て鵜呑みにしてしまっている生徒も見受けられるが、師の仰っている事はあくまで一つの意見だと捉えるべきで、それを信じるか否かはきちんと自分で判断しなければならない。
    • 前期は朝日新聞や東京新聞などの気に入った記事のコピーを両面印刷で配り、読み上げることもある。
    • ただ、師に批判的な生徒に限って新聞配布の事を高らかに批判して授業を切る傾向があるのだが、折角の密度の濃い授業を享受しないで切り捨てるのは勿体無い話である。論文のネタになることもあり、とりあえず一応は聞いておくべきである。
  • 生徒を前から順番に当てる事もある。
    • あまり頻繁ではなく、当てるとしても授業の本題(=日本史)からは少し逸れるような質問が大半で、回答出来なくて怒られるような事はまずない。日本史に関する質問だった場合でも、正解が分かったかどうか聞くだけで具体的には答えさせない場合が多く、生徒を公開処刑しない優しさが感じられる。
    • 但し、その本題から逸れる内容が基本的に師にとっては一番熱く語りたい事柄(=政治主張)であることは言うまでもない。無論それとも関係ない完全な余談の時もある。
  • 気さくな人で質問にも丁寧に応対してくれる。

担当授業

通期

春期講習

東大・一橋大日本史

夏期講習

冬期講習

直前講習

直前Ⅰ期
直前Ⅱ期

人物

  • 政治的にかなり左寄りな思想をもっていることで有名。
    • まだ右も左も分からない受験生に左を教えて下さる。
    • 長年日本の平和を保ってきた憲法を破壊して、日本を戦争国家へと変貌させようとしている黒幕たる存在である安倍晋三を親の仇のように憎んでいる。安倍晋三が如何に無知で愚鈍な政治家であるかを授業中に熱弁する。
      • 例:「安倍は満州事変で日本軍は自ら攻め込んでないと言ったんですよ!日本の歴史が何も分かってないという事ですよこれは!」
      • しかも凄いのが「安倍が○年○月の○○の取材でこういう発言をした」と事細かに記憶しているのである。そこまで来ると、もはや安倍政権のファンのようである。
    • 「天皇神格化はどこかのおとぎの国の話ではなく、たった70年前の日本の姿ですよ」という台詞を授業でも著書でも繰り返し用いる。
    • 天皇神格化は勿論現在の象徴天皇の存在もあまり快く思っていないようで、「あの千代田一丁目一番地に住んでるおじいさんが死んだ所で何か世の中が変わりますかー?」とまで発言したこともある。そのおじいさん本人がお気持ち表明された内容を意識して言っているかのようだが、それ以前に仰った事である。
    • 在日外国人に対するヘイトスピーチも大嫌い。
    • ただ、駿台日本史科の中には安倍晋三に対する犯罪予告まがいの発言までしている講師も存在するが、福井師はそこまでの事は仰っていない。そういった短絡的なバッシングというよりは時の政権の暴挙・時代錯誤性を論理的に批判しているような印象を受ける。そこにもやはり師のお人柄が感じられる。
    • 高橋源一郎、内田樹といった左翼文化人らが言いそうなこと(身分制につながる天皇制の是非、憲法改正の是非など)を同じように言っているという程度で、本来そこまで大騒ぎするほどではないのだが、その主張を予備校の授業の場で繰り広げたり、前期は新聞記事まで配り始めたりするので、どうしても少し際立った存在になってしまうと思われる。しかしそういう発言もあってこその福井師の授業だと思う人が殆どのはずである。
    • しかもその師の影響を受けた駿台日本史科講師もまた授業中に左翼的主張をするので、その根源になっているドン的な存在として認識されてしまっているのだろう。
  • 一方で、政治以外に関してはおしなべて低姿勢で、さらにはなんか可愛い・お茶目・愛着がわく、という声が多いことでも有名。
    • 生徒にかなりきさくに接し、(顎で使う講師も少なくないなかで)教務に対しても横柄な態度をとらないことは良く知られている。
  • 授業や政治的スタンスだけなく、外見なども個性的。
    • 長髪に白髪でさらに白い口髭・顎鬚をはやしていている。白髪で孫がいてもおかしくない年齢ではあるが老人という感じはせず、今なおエネルギッシュな方である。
    • その仙人か雷神のような容姿からして恐らく駿台パンフレットの講師写真紹介で一番インパクトを放っている人物。政治思想が偏っているというのも有名な話なので怖そうな印象を受ける人も多いかもしれないが、実際はそんなことは全く無い。
    • 訛りといえばいいのか、しゃべりかたもすこし独特。
    • 年齢の割に服装は比較的カジュアル。
      • 東急ハンズでサザンオールスターズの桑田佳祐夫妻に店員と間違えられたことある。
      • 服や長髪など、サーファー風でもある。藤沢市在住で、藤沢校にはサーフボードを乗せられる自転車で出講することも。(職員談)
  • 同じ駿台講師である須藤公博師は浪人時代福井に師事し、その縁で予備校講師となった。
    また、田部圭史郎師も高3の夏期講習にうけた福井師の戦後史の授業をきっかけに駿台日本史科講師を志すようになった。
  • きさくな人柄からか交友関係も広い。
    • 雲幸一郎師は福井師のことを(チャイムが鳴ってから講師室を出る事に関しての)「師匠」と呼んでいる。「師匠」である福井師が講師室を出るまでは雲師も出ないらしい。
    • 論文科講師の内海信彦とは高校時代からの知人でもある。
    • かの東大闘争を起こした張本人である山本義隆師との繋がりも深いようで、共同で「東大闘争資料」という本を作成し東大闘争関連の資料をまとめている。
    • 代々木ゼミナールの現代文科講師の酒井敏行とも友人である(彼も又、左翼的思想・発言が色濃い)。酒井いわく「彼はとても面白い人」らしい。
    • 自民党の石破氏と同級生だったらしい(池知師談)また、トヨタ自動車社長の豊田章男氏とも高校の同級生らしい。クラスは違ったようだ。
    • 授業や著作を通して出会った人々とは、どこかで繋がっているのだという幻想に近い願望をもっている。社交的なのも頷ける。
    • 本人が社交的な人だからか、異性との交際経験が乏しい現代の若者の惨状を憂いている。
  • 高校で教員をしていたことがある。社会科の教員免許を持っているため地歴公民のどの教科を教えることもできるそう。
  • 1972年、師が高校1年のときから渋谷のB・Y・Gというライブハウスに通っている。
  • 師曰く「日本史で一番売れている」山川の教科書があまり気に入ってないご様子。
    • 上位高受験者の間で山川の教科書が圧倒的に使用されているのは事実である。三省堂(大木伸夫師が「あれは良かった」と評価している)は日本史の教科書をつくるのをやめ、東京書籍の教科書は上位校を目指す生徒にはあまり使われていない。
      • もっとも、三省堂は高校社会科の教科書作成全般から撤退したので、山川の教科書の使用率の高さと三省堂の撤退との間に明確な因果関係はない。
    • そのあまりの知名度もあってか、右翼からは自虐史観が過ぎると叩かれることの多い山川だが、ただ単に師が左翼だから不満があるという話でもないようであり、文永の役で元軍が撤退したのは暴風雨のせいであると永らく書いていた事など、古い学説に固執してなかなか文章を書き改めない山川の姿勢に「一番売れている教科書ですから、そういうことをされると困るんですよね」と文句を仰っていたこともある。同じ日本史科の塚原師も同様の理由で山川の教科書に批判的な事がある。
    • 福井師ら駿台日本史科が、山川の用語集に対抗する形であすとろ出版から1997年に『日本史新用語集』を出版したが、教科書を発行している山川のブランド力が絶大なこともあり、これまた山川の用語集との競争に負け、すぐに絶版においこまれた。まさに山川無双である。しかしなぜか大宮校に一冊残っているらしい。また稀にネットにも出回るとか。
      • この用語集では文化史は駿台古文科が編集するなどした。
  • 大学時代美術史を学んでいた。
    • そのためか人物・動物・建物等の絵を描くのが上手く、近世・近代の絵画についてもかなりの知識をもっている。またフカヒレがどこの部位がを説明する為に丸ごと1匹巨大なサメの絵を描いた事もあり、絵を描く事自体が好きなのかもしれない。実際絵を描いている最中の師はいつも笑顔であり見ているこちらが癒やされる。
  • 剣道は4段の腕前。日本刀を語りだしたら止まらない一面も。
  • よく御茶ノ水の丸善に出没する。
  • このページを読んで「左翼左翼ってそんなに言う程なのか?」と気が引けた人もいるかもしれないが、ここに書かれている事も福井師の主張同様あくまで一つの意見と捉えて、是非一度自分で師の授業を受けるか下記の著書を読んでみる事をお薦めする。最初はその左傾っぷりに驚くかもしれないが、それ以上にアカデミックで奥深い教養を得る事が出来るだろう。何せ師の授業を受けて同じ駿台講師を志した人物が複数いる程なので、その魅力たるや並大抵のものではないはずである。
    • とはいえ、天皇神格化然り盲目的な個人崇拝を嫌う方なので、この文章を見たら「別に俺に魅力を感じる必要なんて無いですからね(笑)」と仰るかもしれないが。

著作

  • 戦後史をよみなおす』(講談社)
  • 戦後日本史』(上記の本の文庫版・講談社+α文庫)
    • 師の授業を受けた気分になれる本。詳細は該当ページを参照されたい。
  • 日本史 論述研究 -実戦と分析-』(駿台文庫)
    • この本のプロフィールに載っている師の肖像画はチェ・ゲバラそっくりである。意識しているのかもしれない。
  • 『東大闘争資料集』(山本義隆らと共著・編集 68・69を記録する会)
  • 『満鉄調査部事件の真相』(小学館・共著)
  • 『一九三〇年代のアジア社会論』(社会評論社、共著)
    • 以上の二つは歴史研究者としての著作。

発言集

  • 「はいじゃあ、今日は〇〇のところからですね~」
  • 「ちゃんと手動いてるか~?今言ったのが全部記述の回答になるんだぞ?」
  • 「それじゃ一番前の君、どう?」
  • 「答案に第一次安倍内閣って書いてる奴が居て、あんなのに第二次なんかねぇだろって思ってたら、ほんとにまた出てきちゃったんだよなぁ!」
  • 「琉球処分以来沖縄に何か一つでも良いことがあったか~?そう考えるとやっぱり琉球独立の動きが出てきてるっていうのは、良いことだと思いますね」
  • 「怨霊怨霊って、そんなこと言ったらそこら辺の模様とかみんな顔に見えてくるよなぁ!」
  • 「駿台では沢山友達作っといた方が良いぞ~、周りの人ともちゃんと話しときな」
  • 「大戦当時のアメリカでは、日本人は極楽浄土に行きたいから特攻するんだなんて理論が唱えられてたらしいけど、そんな馬鹿な話ねえよなぁ!だから現代のイスラムのテロなんかも、その背景をちゃんと考えないと」

wikipedia:福井紳一