中村雅彦

Last-modified: Thu, 09 Mar 2023 18:44:22 JST (414d)
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中村雅彦(なかむら まさひこ)は、駿台予備学校化学科講師。市谷校舎,町田校,横浜校に出講。

経歴 Edit

  • 三重県出身。
  • 名古屋大学理学部化学科卒業。
    • 第二外国語はフランス語。
  • 名古屋大学大学院理学研究科修士課程(化学専攻)修了。
  • 代々木ゼミナール講師。
  • 元 城南予備校講師。
  • 元 一橋学院講師。
  • 元 メディカルスクールIG 化学科講師(~2008年度)

授業 Edit

  • 授業では、時に高校範囲をやや逸脱した説明も入るが、基本的には基礎に力点をおいていて、特にその理解不足を指摘し、基本を活用する力を養うことを目標にしている。
    • 受験生が本来きちんと学習しているはずの範囲の中で、受験生の理解が足りていない、ないしは実践の場で十分に実力を生かせていない項目を指摘し、重点的に講義する。
  • 師の最大の特徴は東大・東工大実戦模試(東工大は、2021年以降は実施なし)などの模試における作問の経験、答案に対する見解などについて述べ、実戦的な授業を展開することである。
    • テスト形式でない授業でもほぼ毎回過去の入試や模試での出題について触れ、その作問の意図や実際の受験生の出来について説明することが多い。その際、多くの受験生の間違いや一般的だが遠回りな解法(時には師ではない作問者の誘導によるものもある)を修正し、最もスマートな考え方を示してくれる。
      • なお、師が授業で教える解法の中には実際に師が作った模試の解説でも書かれていないあるいは参考としてしか触れられていないものがある。これは、一般的でない解法を書くと高校の先生などから質問(時には苦情)が寄せられてしまうためである。
  • 上記のことから、特に東大東工大を志望する受験生にとっては非常にためになる講師である。ある程度化学が得意であっても、より発展的な考え方を身に付けさらなるレベルアップを図ることが出来る。ただし、師は一般的な解法にあまり触れないため、教わる解法を理解できなければ実りは少ない。基礎から順を追って説明はされるが、一般的な解法を中途半端にしか理解していない状況ではどっちつかずになり混乱してしまうことも考えられる。そのため、中上級者、理解力の高い生徒の受講が望まれる。
  • 質の高い講義だが、その温厚でおちついた口調ゆえ講義はどうしてもやや眠くなると評判。
    • 演習テストの解説ではやや眠さが軽減されるか。
  • 一方、有機は眠くないと評判。実力がある講師なので、受けていて眠くなりさえしなければ,さらに素晴らしいのである。特に夏の化学特講などは評判がいい。2.4.6-トリブロモフェノールに関して熱弁していたほどである。
    • ちなみに師は有機分野を野依良治に師事したらしく、教え方も野依氏のそれに似てしまう、と授業内で言っていた。真意は不明なので誰か名大に行った人は確かめると良いかも。
    • なお野依氏はブラック研究室の主として業界で有名である。勇気のある人は真相を確かめてみよう
  • 有機のイメージが強いが、実際には理論・無機の問題もかなり明快に、時に生徒があまり思いつかないような解き方もする(言われてみれば非常に明快ではあるが、時としてあまりにアクロバティックでついていけなくなる者も)。ヘンリーの法則がいい例だろうか(気になる人は師の特講Ⅰを受けるとよいだろう)。特に結晶格子や熱化学、及び単純な物質量計算の分野にめっぽう強い。
  • 通期では化学S Part1の担当が多いが師の真骨頂はPart2や演習授業の解説で発揮されることが多い気がする。
    • しかし師自身は大学にて無機分野も専攻していた経緯もあり、「受験生みんな有機は好きになって無機は暗記で終わらせようとするんだけど、無機の方がよっぽど定量的で面白いんだよぉ。ぜひ無機にも興味を持ってくださいって毎回宣伝してるんだけどね...確かに有機も教えてるけどさぁ」と嘆いていた。
      • 事実、無機分野では共役酸塩基の考え方を用いた、理論的な講義が展開される。
      • 師が大学で無機化学を専攻したのは、師が三重県出身であることに由来する。
        地元の四日市ぜんそく患者の話を聞いて「公害をやらなきゃ」という意識が生じ、そのために大学で公害問題と関わりの深い放射化学を専攻したらしい。
  • 「本来不適当な内容だが何故か受験ではこう教えている」という点についての指摘・及び批判が特に有機の範囲で多い。
    • 実際、そのツッコミは大学間でも批判のある内容が殆ど。
    • 有害・危険なので現在は行われていない製法や実験を、その事に言及せずに入試で出題することについても批判的である。
    • ただしそれを真に受けすぎると、大学によっては(特に一部私大)問うている題意に所謂受験問題としての暗黙の了解的な意味が含まれており、それを逸脱すると×とされるかもしれないので、教養程度に聞くのが無難と思われる。師もそれは承知していることを公言しており、板書まではせず「参考程度でいい」と仰る。
  • かつては高校化学の範囲を越えないように配慮していたが、最近では高校課程にない内容でも体系的に理解するために必要な考え方を教えている。
    • 酸塩基反応では共役酸・共役塩基やルイス酸・ルイス塩基なども用いかなり統一的な見方を与えて頂けるし、有機では電子の営みを用いて説明したりする。これらは無駄に暗記量が増える類の知識ではなく、通常別々のものとして教えられていることを統一的に理解するのに役立つものであるためと考えられる。
    • 「問題を解くにあたっては高校範囲を逸脱する内容は基本的に問題文の説明があり、その説明に則っていれば簡単に解けるような内容になっている」「難しい参考書などを読んで高校範囲を越えた知識を中途半端につけても、出題側はそれをさらに越えることを出題するため、大きなメリットにはならない」「特に難関大では”教科書程度の基本的知識を活用する力”が求められている」という師の経験に基づく信念があるため、大学入試で問われる範囲、という意味での高校化学の範囲を越えることはない。
    • かつて高校課程内だけで教えていたのは、講師になったばかりの頃に課程外の考え方を用いて教えたところ、生徒に理解されなかったためである。「学校で習ったことと違う、とか言われて、正直言うと講習のアンケートとか散々だったのね。」とのこと。今ではベテランになったのであまり気にせずに教えられるようになったようである。
  • 授業の初めに「板書は自分の体の高さの位置となる」ことを予告する。
    • 師によると、持病(頸椎のヘルニア)で上を向くことができないとのこと。「正確にはできない訳じゃなくて、やったら死ぬかもしれないってことなんですけど、」と仰るが、初回に言うのでまず笑えない。
    • また、首筋を冷やさぬよう(冷やすと気絶しそうになるらしい)夏期講習でもマフラーを巻いていることがある。師曰く、決してお洒落ではない、だそうだ。夏は教室前方の冷房も弱める。
  • 板書もするが、口頭での説明も入るので、適宜メモをとることを勧める。
    • 特に、高校範囲を逸脱した(入試で問われることのない内容の)説明は図などを必要としない限り口頭でなされる。発展的な事項も順序立てて分かりやすく説明してくれるのが師の真骨頂でもある。
  • 筆圧が濃いため授業中幾度となくチョークが折れ、授業終盤には床にいくつもの(比較的長い)チョークが転がっている。
  • 解説の際に、関係代名詞節を頭から訳したようなことを言う。「○○っていうのはね、こういうことなんですよ。どういうことかって言うとね?」といった要領である。
  • 「なんのことはない(ね)」というのが口癖。一見難しくても正しく理解できれば基礎に帰着できるという場面などで発せられる。この台詞を聞いてもピンと来なかったら要注意。
  • 全員に問いかけるように話をしたあと、文字では表現しにくいのだが、「おぅん?」とも「おぉん?」とも聞こえるような声をよく出すので、煽られているように感じられるかもしれない。
  • 既習の事項について生徒の反応が悪いと「え、あ、いいですか?」「だ、大丈夫かなぁ?」などと言ってその事項に関して再解説をしてくださる。その仄かな吃音は癖になる。
  • しばしば↑の3つのコンボが発生する。「なんのことはないね」と言って板書した後「ぉん?あ、いいですか?」など。
  • 大学によっては出回りにくい後期試験の過去問だが、これを演習問題として何週間かにわたって数年分配ってくださる場合がある。
    • その他、適宜さまざまな演習問題を「宿題」と称して配布し、授業の初めに解説を行うことがある。生徒からしても易しいものから、(師曰く易しいが)生徒からすれば難しいものまで幅広い。
  • 化学に関係する最近のトピックについて雑談をしてくれることも多い。新しい題材を取り入れるためでもあるが、純粋に化学が好きという強い気持ちもあって常に勉強されていることが伝わってくる。
  • 雑談の終わりは「それはそれとして」と言って、本線に戻る。
    • 特に時間的制約のある講義で(もちろん有益な話なのだが)つい本筋から外れてしまうと「こんなことやってる場合じゃないんだ」とも言う。
  • 真面目に淡々と授業をするイメージがあるが、「こんなんなっちゃったらもうわけわかんないね」などと言って教室を湧かせることもある。
  • 板書している姿を見る限りサウスポーだが、ノートは右手で書いている。(板書の文字は決して綺麗ではないが、ノートのそれは美しく整っている。(右利きだとするならば板書の文字
    はなかなかのものである)
  • ある授業で「後は計算をシコシコやってもらって~」と発言したところ、学生たちがざわめいたが、
    何故なのかわからず戸惑っていた。以降、「計算をシコシコやる」ではなく「計算をシャカシャカやる」と言うようになった。

担当授業 Edit

通期

直前Ⅰ期
直前Ⅱ期

人物 Edit

  • 代々木ゼミナール講師。元 城南予備校講師。
  • 元一橋学院講師。
    • 一橋学院では、少人数授業を展開しているため、師の授業を少人数で受けることができとても恵まれていた。
  • 関東化学科の重鎮。
    • 東大演習コースの化学科主任講師であった。演習コースで実施される本番実戦テストや演習テストなどは基本的に師の作成であり難易度が高い。
    • 古老講師の引退と福間智人師、鎌田真彰師、田中茂師の相次ぐ退職で弱体化した時期の関東化学科細川豊師と共に支えた。
    • 最近は、若手人気講師の台頭で影が薄くなりがちだが、長年、関東駿台化学科を支えてきたベテラン。その実力は確かである。
    • 化学科の中心講師の一人として、駿台化学科講師の採用担当もしているらしい。吉田師や黒澤師のような若手実力派講師陣がいることから人を見る目はあるように思える。
    • 吉田隆弘師は、中村師のことを、「やさしくて強い人」「駿台化学を引っ張ってってる。あんな人になりたいなーってボクも思いましたけど。ずっとお世話になってるんですけどね。あのー、そう、だからああいう、やさしくてね、強い人にみんなも是非、なってほしいと思いますので。」と非常に尊敬している。
    • 東大の解答速報の責任者もしているとか。
  • 東京大学と東京工業大学の化学青本の執筆を担当していて、東大と東工大の入試化学の研究にそれぞれ携わっている。かつては東北大も担当していた。
  • 全国模試(ハイレベル)、東工大入試実戦模試東大入試実戦模試等の作問にも携わる。東大実戦では責任者も務めているらしい。
    • 師の作った問題は難しいと評判(但しきちんと現象を理解できていさえすれば、さほど難しくはない)。東大実戦でも一度作った問題が難しすぎて小問を削ったり作り替えたりして出題することが多いそうで、実戦テストなどではそれらを加えた完全版が出されることもある。
      • 「本当はもっと面白いこと考えてたんですけど、平均下がると怒られちゃうので」
      • 「(東工大実戦について)本番より難しいですよ。毎年難しくしようか簡単にするか悩むんだよね。でもね、簡単にしちゃうとできた子がわざわざ簡単すぎませんかって言いに来るんだよね…。だからね、今120点くらいとって俺すげーってなるよりも、7、80点くらいでまだまだだなって思う方がいいと思うんだよ。」
    • 非常に仕事が早い。森下師が第一回東大実戦の物理を作り始めるころには第一回の原稿を提出し、第二回東大実戦の構想を練り始めているほどである。
      • 「中村先生は本当に仕事が早いんですよ。一緒に仕事したらすぐ僕が律速段階になっちゃう。」(吉田師)
    • 東大実戦では、有機に関して野依氏が発見したことに関する出題をしたことがある。実際にその問題が演習問題として配られたクラスもある。師曰く当時の得点率はきわめて低かったらしく、完答者はいなかった模様。配られた場合に初見で解ければ自信にしていいだろう。
    • 東大実戦に出す内容を実施前の授業で講義する際にはドキドキするのだとか。
      • 「バレるんじゃないかってドキドキしちゃうんですよね。」
      • なおほとんどの場合、結果を見ると出来が悪いのでバレていないことが確認できるそう。ただ、教えたところが出来ていないということでもあるので複雑な気持ちのようだ。
  • 前述の持病に加え、2018年度に還暦を迎えることから、徐々に出講数を減らしたり、各種模試などの担当からも徐々に手を引いていきたい旨を公言なさっている。
    事実、2018年度には出講クラス3号館に集中させたり、第2回東大実戦の責任者を吉田隆弘師に譲るなどした。
    師の仕事量の多さや、海老名在住ゆえの移動距離の長さ、そして持病のことを思えば、かなりお疲れになっていると言っても過言ではない。
  • 講習などで東大関連の演習問題を作る際、一度解いたことがある人に配慮して東大の過去問と東大実戦の過去問はなるべく使わないそう。
    • 代わりに他大学の問題を東大風にアレンジしたり、一から問題を作っておられるとのこと。
    • 校内生向けの実戦テストなどでは東大実戦の過去問が使われる場合もあるが、アレンジが加えられていることも多い。
  • 東海・関西出身であるが標準語。よく注意して聞いていると「~だで、」などわずかに方言が出ることがある。
  • 授業中の一人称は「僕」だが、ふとした拍子に「俺」と言っているときもある。
  • 同じ化学科石井光雄師とは非常に仲が良く、講師室ではよく談笑している姿が見受けられる。
    • 二人は代ゼミ時代からの同僚であり、30年近い付き合いだそう。
    • 師は、石井師の実力を評価しており、かなりの信頼を寄せているそう。
    • そのため、石井師とパートを組んでいるクラスでは時々お互いにお互いの名前を出しあっている。
      • 師曰く、「これは石井先生の範囲になりますけれども~」と言ってみたり、逆に石井師は、「この単元は中村先生の方で習う範囲だけど~」と仰ることもしばしば。
  • 温厚な性格である。
    • 端的に言うと森下師と正反対。強い信念を持っているが、あまり表に出さず、また意見の合わない人を批判することもない。そして家族に怯えることも、締め切りに追われることもない。
    • しかし、師が喋ったことをメモせずに黒板に描いたことだけをノートにとっていたり、目を瞑っていたり寝ていたりなんかすると
      「君さあ、眠いなら家に帰んなぉ」
      と、退出命令されることがあるので、いくら温厚な性格とはいえどもきちんとした態度で授業を受けることが望ましい。
      • 2018年度夏期講習でも、2回寝て退出させられた生徒がいた。
        その生徒は、1度優しく注意されたにもかかわらず、次の授業の終了3分前ほどから突っ伏して寝ていて「やる気がないなら帰ってくれないか?もう次の時間から来ないで」と言われていた。
    • そこまで授業態度に厳しいわけではないので、師に怒られる生徒はよっぽどである。
  • 質問にも丁寧に答えてくれる。
    • 特に授業後が昼休みだったりすると教室に残って一人一人の質問に丁寧に答える。時には昼休みギリギリまで残っていることもあり、次の授業が大丈夫なのか逆に心配になる程である。
  • 学生、院生時代は化学の中でも原子核に関する研究をしていた(放射化学)。
    • 三重県出身ということもあり、公害問題に取り組もうと化学科に進み、放射化学をやる前は無機方面を専攻していたそうだ。
    • 学生時代の専攻に関係しているのか原子力発電に反対している。授業で触れるようなことはないが駿台教育フォーラム等では明確にその考えを示しており、自宅周辺での住民運動等にも参加しているらしい。
  • ご自身に関することはほとんど雑談しないが、ごく稀に生い立ちや卒業生の活躍などを話してくださることがある。
  • 左利き(個人的な質問で、受講者のノートに書き込みをする時は右手を使うこともある)。
  • 物理学者のシュレディンガーに似ている。
  • 高校生時代は生物の授業が嫌いかつ苦手だったそうだ。
    • 巷に溢れる健康効果を謳った製品についても、化学的に考えると効果がなさそうなので自分では信用していないが、生物学的には効果があるのかもしれないのであまり批判はしないようにしているそうだ。
  • 駿台のホームページで、「自然を愛する」と紹介されていたことがある。
  • 愛嬌のある一面を見せることが多い
  • 国指定の難病(指定難病60)を2020年3月頃に患ってしまい、現在はかなり仕事をセーブしてる模様。2020年度後期の担当は町田校SH化学Part2のみのようだ。(町田SH化学Part2前期は石井師の代行となった。)
  • 2020年度冬期講習に関しても東工大化学のみの出講になり、直前講習は全て代講となった。
  • 2021年度は、新型コロナに罹りやすい状態であることから、人流が少ないかつ自宅から比較的近い町田校藤沢校を通期では出講することにした。夏期講習に関しては、駿台からどうするか聞かれた際、当時はオリンピックは中止するものと思っていたので横浜校お茶の水校でも講習を持つすることにした(なおオリンピックは開催した)。

著書 Edit

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