化学S

Last-modified: Sat, 06 Sep 2025 10:10:52 JST (64d)
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使用コース Edit

監修講師(テキスト作成者) Edit

概要 Edit

特徴 Edit

  • テキストの各章は、要項・基本チェック・演習問題(授業用問題)から成り、章末には参考問題(自習用問題)が数題ある。
  • 各章の要項は1ページにまとめられていて、それだけ読んでもあまり意味はない。講義の説明をきちんと聞く必要がある。
  • 基本チェックと演習問題をメインに学習していくと良いという声もあれば、参考問題も出来る限り取り組むと良いという声もある。各自の学力に応じて取り組もう。
  • 参考問題はどの章も後ろの問題ほど難度が高いがその分解説が丁寧になるという特徴がある。また、奇問は省き、純粋な難しさを持つ問題を選んでいるらしい。
  • 付録として混成軌道の解説が詳しくのっているので、余力がある人は是非読んでみよう(特にPart1で混成軌道の話をしない講師が担当であった場合)。
  • 非常に教育的な問題があつめられた良質なテキストである。
  • 従来の高校での指導の誤りを指摘するため、あえてあまり宜しくない問題、新課程で削除された範囲等が講義用問題に入っていることがあり、そういった部分を担当講師が普通に解説して終わらせた場合は得られるものは少なくなってしまう。もっとも、講師によって授業に差が出るのはこのテキストに限った話ではない。
  • 授業で扱う問題は、難しいという人もいれば簡単という人もいる。いずれにしても化学のエッセンスを習得できる良教材であるという点では一致している。
  • 演習問題は簡単とまではいかなくても、そこまで難しいものでもない。
  • 編集者の吉田師曰く「考え方の習得を重視していて、問題自体はシンプルになっている」らしい。
  • 一方、そうはいっても今の受験生にはうろたえるような問題も多いという声もある。実際、京大や東工大を始め、各旧帝大の問題もかなり含まれている。
  • 今までの勉強で頭を使わず、ただ計算をこなすだけ、といったことをしてきた者にとっては特にそうである。化学の思考力を養成することを目的とした、エッセンスが浮き彫りになる問題、「解ければよい」的な学習をしてきた人には反省を促すような問題が集められているといえよう。裏を返せば、出来なかった演習問題がある分野は、理解が不十分で根本的な穴があるとも言えるだろう。
  • 分量が凄く多い(分量的にはPart1<Part2)。そのため、補講を組む講師も多い。
  • また、分量の多い教材を効率よく消化するため、関東圏ではプリント中心の授業を行う講師も多い。
  • 橋爪健作師も、化学Sの言い回しに遠回しに苦言を漏らすことがある。
  • 中村雅彦師も、批判ではないが、駿台化学科の独特な傾向に言及・注解することがある。「駿台に来た時、思ったんだよね。配位結合大好きだなぁって」
  • ただ実際に大学以上で化学を学んでみると、化学Sへの批判的な意見も分からなくはない。基本チェックや解答の言葉遣いには駿台特有で昔ながらの言い回しも見られる。一見理論的だと思われる大学受験の解法も厳密に言えば都合のいい理屈で、実際は暗記する他ないということもある。
  • このことからも化学科講師の中では少なからず対立があるようにも感じる。
  • 各パートについては以下のような傾向があるともいわれている。
  • 前期Part1は誰がやってもあまり差はないが、混成軌道を解説されると特に無機・有機で理解が充実する。
  • 一方、Part2は講師による内容の差(特に気体と有機)が激しいとの声も。ただしテキストの内容で基本は押さえられるので、講師の良さがプラスアルファの要素と考えるのがいいだろう。
  • Part1の方が講師が良い場合が多い傾向があることは否めない。どうしても気になるならば夏の化学特講などで補うとよい(夏の1と3で天然有機・合成高分子以外のPart2分野の殆どを網羅できる)。
  • 後期Part1の無機の元素別各論は殆ど扱わない講師も多い。
  • 講義内容をまとめたプリントの配布を行い自習扱いとしたり、講義は行うが演習問題はプリントで済ましたりというケースが多い。
  • テキストの元素別各論の章の最初のページにも、「時間の関係上すべてを扱うことはできない。知識の確認のような問題も多いので、それらは諸君らの自習にまかせることになると思うので、あらかじめ了承しておいてほしい。」と書かれている。
  • Part2前期の第5章(有機化学の基礎)は、後期のテキストにも再掲されている。
  • これは、有機分野を一冊にまとめるためと、テキストの分量が多いために前期中に有機化学まで進まない講師が(特に関東では)多数いることを想定しているからである。
  • 関西圏の大学は関東圏の大学に比べて有機化学の比重が重いため、進度目標は関西が5章、関東が4章である(星本悦司師談)。
  • 化学の背景にある理論の説明+問題の解き方の授業を行うことで、この教材の価値が十分に発揮する。
    どちらかというと多少難しい内容でも(場合によっては大学レベルの知識を使って)根本的に説明してくれる講師だと真価が発揮されるように思われる。
  • 逆に、解き方重視の授業を行い化学の背景にある理論を十分に解説しない講師、問題の背景にある理論を解説するよりも問題を優先して解説する講師の場合は、この教材の価値は落ちてしまうという声もある。
  • 前述の通り、分量の多い教材を効率よく消化するため、関東圏ではプリント中心の授業を行う講師も多い。
  • 前期・後期でクラス替えが存在する校舎のことも考慮して、関東の化学科では進度を統一しているそうだが、一部の講師はそれを無視するそうで吉田師はそのことに苦言を呈していた。もしクラス替えによって進度にズレが生じたときは遠慮なく教務や講師に相談するべきだろう。
  • 「会議で今年は進度を守るように念を押して伝えたから大丈夫だと思うけど、もし問題があったら言ってね。困るのは君たちだから。」と吉田師も述べている。
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