喜壽屋仁志
Last-modified: Sat, 06 Feb 2021 14:30:19 JST (24d)
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喜壽屋仁志(きずや ひとし)は、駿台予備学校現代文科講師。1号館,池袋校,横浜校,千葉校に出講。
経歴 
- 兵庫県淡路島出身。
- 明治大学文学部文学科日本文学専攻卒業。
- 専攻は山東京伝など江戸後期の文学。
- 指導教官は水野稔。
- 「京伝合巻の演劇への依存の要因」(明治大学日本文学17)
授業 
- 非常に個性的でありながら丁寧な授業。根本は駿台の王道である客観性を重視した読解だが、霜栄師以上に、徹底的に文章のレトリックを意識して捉えて解釈していく。生徒にも一切の主観的要素を排して読む事を第一に求める。
- まず現代文は科学であると定義し、自分なりの解釈で読解することを「小学生」や「趣味」だと非難する。
- 師の授業の多くの時間は“読み方”や“解き方”と言った、問題に臨む姿勢を指導し正すことに割かれる。それ故に本文の内容や解答にはあまり触れない。テスト演習形式の授業で模範解答があれば尚更である。
- 生徒が自分で考えて今後使えるようにする(似た問題に対応できるようにする)ために、あえて解説を省略することも。
- ここまでくると英語科の構文主義、関西駿台の修辞学的読解に近いものを感じることもしばしば。
- 問題を解く際は「検査目的は…」と言い、何を問われているのかを明確にして進める。そして、各設問で問題文の範囲を設定してから解答を出す。
- 解答例を板書する際、「大事なのは答えではなくどこを使ったかだ」ということを強調し、解答例をそのまま写すことをしないようおっしゃる。
- こうした師独特の読解方式が一番形になって表れているのが、時折配られる文章全文の修辞解釈プリントである。
- また小説の読解も異彩を放っている。師は「小説読解は心情の読解では無い」と断じ、物語論・ナラトロジーに則った「fictionという表現形態の読解」であるとしている。
- というのも、入試で出題される小説は全て近代以降に成立した“novel”である以上、それは近代科学と精神を同じくしており、読む側の姿勢も科学的でなくてはならないというのが師の主張である。
- そのため、小説好きな文学少女は仮に点が取れていても正しい読解に基づいていないため非常に危険であるとしている。果てには私小説なぞ読んでいても小説読解は出来るようにならないともおっしゃる。
早稲田の現代文も序でに批判していた - とはいえ私小説やそれに近いものはセンターでも良く出がちなのである...
- そのため、小説好きな文学少女は仮に点が取れていても正しい読解に基づいていないため非常に危険であるとしている。果てには私小説なぞ読んでいても小説読解は出来るようにならないともおっしゃる。
- まず小説を場面ごとに区切り「粗筋」を掴む。そして個々のレトリックから各場面・文章全体に作られた「設定」を理解することで筆者の「伝えたいこと」を抽出出来るとしている。
- というのも、入試で出題される小説は全て近代以降に成立した“novel”である以上、それは近代科学と精神を同じくしており、読む側の姿勢も科学的でなくてはならないというのが師の主張である。
- 駿台に限らず個性の強い講師が多い現代文科だが、師は駿台現代文科で一番クセがあると言って良いかもしれない。
- 特に言葉遣いが顕著。「検査目的」「対比材料」「証拠例」「追跡」「処理」「裏打」「戻り」....などなど師の独特の修辞学的用語を理解するのは中々大変ではある。
- 言わずもがな好き嫌いも大きく割れてしまう。特に理系クラスではついてけない生徒も相当数いる。
- アンケートの評価もあまりよろしくないそうだ。一方で本人は意にも介していないようである。
- ある年の後期初回授業では「私の授業は〜〜駿台の講師の中でも〜特にクセが強いらしいので〜〜後期から入った人はまあなんとか頑張りや〜」と仰っていた。
- この超論理的な思考プロセスは大学受験のためではなく、大学合格、さらにその後の読書行為を意識したものとなっている。受験勉強を通して正しい“読み方”を学ぶことで、今後の人生においても難解な文章に怯むことなく臨めるそうだ。
- 「現代文の理論を叩き込んでくれる。教えてはくれない」と形容した生徒がいたが、非常に的を射ている。
- ここまで読むと提示される模範解答も独特なのかと思うだろうが、模範解答は一転して簡潔かつ綺麗なものである。どこの試験で書いても恥ずかしくない。
- むしろ関東現代文科の中ではかなりクオリティの高い部類である。流石大ベテラン。
霜師ももうちょっと頑張ってください
- むしろ関東現代文科の中ではかなりクオリティの高い部類である。流石大ベテラン。
- 上記にもある通り、大学は科学をしに行く所だと言い、そのため現代文も一貫した方法で取り組むことを強く勧める。
- 読み方や解き方に多くの時間を割く一方で、ごく稀に、記述解答例に対して理解を助けるために、江戸時代の文化などの例え話を用いることがある。
- 「もうじきオリンピックシーズンですから、こういう話を知っておくと、友達できたりします。」
- かなり毒舌。授業態度の悪い生徒に注意するのは普通だが、真面目な学生にも危機感を持たせるべく常に警告し続ける。
- キズヤボードと呼ばれるサイトを持っている。
- 正直、初めて受けた人などは何を言ってるのか全くわからず茫然としてしまうかもしれない。ただ、そこを我慢して何度も何度も師の語りを聞いていると、段々理解出来るようになってくる。
- 師の授業に慣れておくと、大学入ってからどんな教官の授業もわからなくはない・まだマシと感じられるはず。特に文系。
- 霜栄師が作成したテキストを評価する一方で、現在の入試問題には深い背景知識などを必要として解答すべきレベルの問題が存在しない事から、作成意図とは敢えて異なった授業を展開することもあるが、合格するための効率を考えれば納得できる話でもある。
- クセのある授業なので、講習で単発的に取るのはオススメしない。一年をかけて受講することで意味を持つ授業である。
- ただ高3にもなれば駿台で現代文の授業を取らず自学することを勧める。
担当授業 
通期
人物 
- 30年以上独自の姿勢を貫くベテラン講師。3号館や市谷校舎にも長年出講していた。
- 武蔵野大学など幾つかの大学・高校で非常勤講師をやっていたこともある。
- 愛称は「キズヤン」
- 駿台でも一二を争う個性的な容貌・ファッションである。
- オシャレであるが、どことなく怪しい独特の雰囲気。その姿ゆえ、大島保彦師を始めとする他講師からネタにされることもある。
- 梅雨のある日、市谷校舎で授業する際に持参した傘が、仕込み刀のように明らかに不自然な柄の長さであったため、大島師と関谷師から「喜壽屋くん、君は今からどこに喧嘩に行くんですか?」と言われたとか。
- 現在はそこまででもないが、黒魔導師という言葉がぴったり合う服装のときもあった。夏なのに非常に暑そうな服装をしていることも。長い髭に立川談志のようなサングラス、予備校講師には到底見えない。
- 背中にデカデカと八葉蓮華の法曼荼羅が描かれているロングカーディガンを羽織っていると思ったら、中に着ているTシャツも曼荼羅デザインだったなんてこともあった。
- 平井隆洋師によると、師が人混みに向かって歩くと、人混みに道ができたらしい。
- ベレー帽やニット帽を愛用されている。和嶋慎治に似ているとも。
- オシャレであるが、どことなく怪しい独特の雰囲気。その姿ゆえ、大島保彦師を始めとする他講師からネタにされることもある。
- 授業中の口調も極めて独特である。文の切れ目ごとに語尾を伸ばし、話す一文は非常に長い。集中して聞かないと何を言っているんだかサッパリ分からなくなる。
- 昭和の政治家演説っぽさがあるだろうか。やしきたかじんとも。
- 「この問に於ける〜〜検査目的は〜〜〜◯◯でありますから〜〜〜従って〜先ほどの段落にあった対比材料を踏まえ〜〜〜傍線部の〜逆説に隠された〜〜筆者の疑問を〜明らかにしつつ〜〜まとめあげなきゃいけないわけで〜〜〜(まだ続く」
- 見た目や授業中の怖さから話しかけにくいが、淡路島出身の関西人であり、非常にお喋り好きな方である。
- 数回会話を交わすだけで覚えてくださり、親しくしてくださる。一緒に喫茶店
や喫煙所に行ったという生徒もいる。 - 質問対応も気さくで、トンチンカンな質問をしても、笑いながら「アホ」と突っ込むだけ。罵詈雑言が飛ぶようなことはないため気軽に質問に行っても問題ない。その他、授業以外ではとても優しい。授業の厳しさも優しさゆえである。とても生徒思いである。
- 授業中と授業外のギャップが最も激しい講師と言えよう。教室での師しか知らず、会話が成立するか不安がる生徒がいるが、一対一では普通の喋り方である。
- また、用務の方やCLに対しては物腰柔らかである。用務の方々と仲が良いようで、授業前などに廊下で談笑なさる様子がたびたび見られる。黒板を消してもらう際にはたいてい「すみません、よろしくお願いします」とおっしゃるなど、
- 一方で教務が気遣いできてない時には注意することがある。
師は教務の無能さが分かっているようである。
- 数回会話を交わすだけで覚えてくださり、親しくしてくださる。一緒に喫茶店
- 入試の答案は万年筆・ボールペンで書くべきという信条を持っている。もちろん今はそんなことを要求する大学はないので、鉛筆を渋々認めている。
- これは、何度も消して書き込んだ汚らしい答案を提出するべきではないという師なりの考えに因るもの。下書用紙を十分に利用し、綺麗に一発で書き上げることを生徒に求めている。やけに汚いと減点対象になると脅すことも。
- パンフレットの写真と実物が全く違う。しかし、イベントのチラシ等に掲載される写真は、比較的現在の師に近いものとなっている。
- 鷲田清一を尊敬している。鷲田氏の文章を扱う際は異様に楽しそうである。
- 師曰く「現在の大学受験で一番出るから」らしいが、その際共に名を挙げる内田樹の文章ではそこまででもない。やっぱり好きなんだろう。
- スモーカーである。
- 入試にとどまらない、入学後の話をしてくださる。
師曰く、本が読めないやつは大学行かずに100回死ぬべきだそうだ - 全国レベルで知られている大学に行くようにと促すことがある
- 日本はもうアジアの頂点にはいないためいつまでも自惚れている場合ではないと警鐘を鳴らしている。
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