物理S

Last-modified: Sat, 15 Apr 2017 23:29:01 JST (9d)
  • スーパーコースで使用する教材。
  • テキスト作成者は、森下寛之師。
    • 元々の作成者は山本義隆師。山本師いわく、テキストの問題をはじめ、山本師編集時代の名残りが結構あるそう。
  • このテキストは、物理現象を数学的に捉えてしっかり考察する中で、物理の理解を広げつつ深めることで揺るぎない学力を養成することを目標としたテキストである。
    • つまり、解き方重視の授業をするとあまり真価を発揮しない、物理学的な授業によってその真価を発揮する、ということである。
    • 入試問題をやたらに解くことよりも、どんな問題も統一的に見ることができるような「物理の普遍的学力」の養成を目的としていることがうかがえる。
  • テキストはPart1とPart2から成り、各Partは要項、講義用問題、EXERCISEから成る。
    • 前期は、物理現象を扱う上で必須の道具・数学的手法を主に学ぶ。後期は、それらを応用して物理現象を扱う。
      • 前期はPart2の比重が若干重く、後期はPart2で受験生が重視しないor苦手とする分野を多く扱うので、難しくて重く感じられがちかもしれない。
    • 要項は、「BOX 〇〇」(〇〇は通し番号)のようにまとめられており、単なる公式ではなく定義や重要な考え方などが簡潔に記されている。
      • 但し、電磁気分野の線積分や面積分など、特に補足説明もなく高校では扱わない数学・物理の表記を用いている箇所がある。
      • 山本・森下両師を筆頭に、微積を使って授業するタイプの講師の授業をうければ、要項に書かれている事の意味をきちんと学習できるだろう。
    • EXERCISEは、自習用問題。単なる公式や解法テクニックの練習ではなく理解を定着させるための問題が選定されている。
      • 出典は載っていないがほぼ全て大学入試問題。とてつもなく古いものも含まれている。
      • 模範解答つき。昔は略解のみだったが、批判が多かったため2014年から改訂され、まあまあ丁寧かつ豊富になった。
      • 問題文が短いためサクッと解けそうに見えるがそうでもない。
    • 講義用問題は、物理現象を数学的に捉えてしっかり考察する中で、物理の理解を広げつつ深めるのに適した問題が選定されている。年々易化しているといわれている。
      • 出典は大学入試問題。全体的には年々難易度が低下していると指摘されているが、問題ごとの難易度差が激しく、易問も難問も、良問も奇問もごちゃまぜで入っており、中には本当に難しいものもある。なお、問題文は適宜改変が施されている(東大から防衛大まで出典は様々。)
      • 物理教員の少ない単科大などの問題も含まれるので、物理用語の不備不足が散見される。これらは、敢えて残している節がある。
      • 物理現象を数学的に捉えてしっかり考察するために、難易度が高めで重たい問題が「以前は」選定されていたが、質こそ保たれてはいるものの難易度・重さ共に年々引き下げられており、2015年度以降は教科書傍用問題集レベルの問題も含まれている。
      • 森下本人曰く「もっとも簡単なテキスト」とのことで、A教材などの存在も考えると「師が作った中で」ということなのだろうが、本人もあまり難しいとは思ってないらしい。表面的な難易度だけでテキストをつくってるわけではなく、物理を根底から理解できることを目的として編集しているのである。
      • ちなみに、高橋法彦曰く、「このテキストを問題集として扱わないように」とのこと。問題を説けるようになることも大事だが、テキストをたたき台に物理の普遍的学力を養うことがもっとも大事なことである。
    • 難易度は、EXERCISE<講義用問題である。
      • これは旧帝大(医学部含む)の問題でも合格点以上を取るための教育的配慮らしい。
  • 全体的に分量が多いので、大抵の講師は延長や補講などを行う。
    • まず、作成者本人が時間内に終わらせるつもりがない
    • また、田沼貴雄師などの一部の講師はプリント中心の授業を行う。
    • 一方、小倉正舟師であればその板書のとてつもない速さ故、何かアクシデントがない限りは補講を組むことなくに終わらせてくれる。
      • もっとも、補講なしで終わるかわりに、一回の授業が凄まじい密度・板書量になる。
  • この1冊で物理は十分という人もいれば、何か別の物もやるとよいという人もいる。
    • 作成者の森下はこの一冊で十分だと仰っている。
    • 一方、高橋法彦などの一部の講師は、別にもう1冊やるように薦められる
      • テキストの内容の理解の定着と電磁気などの前期では扱わない分野の知識を忘れないようにするためにもう1冊やるのがよい。
      • 近年のテキストの問題難易度であれば、この授業を受けている者の多くはこの授業に対する物理的余裕(時間的にも学力的にも)をそれなりに見込める筈なので、当教材をきちんとこなした上で別途演習を積むのは悪いことではない。
      • 入試問題を短時間で解けるようになるためには学力だけでなく慣れも必要なので、適宜やるとよい。特に近年の入試問題は物理の学力を見るというよりもただの点取りゲームと化しているため。
  • 授業用ノートについては以下のようなことが言われている。参考にされたし。
    • 基本的に駿台の物理の授業では板書量が膨大であるため、partごとにノートは分けるべきであるという声は多い。
    • 森下師を始めとする一部の講師は、ノートは方眼紙を使うことを勧めている。
      • グラフなどを綺麗に描くためにという意図であろう。講師が板書を書いている黒板にも薄く方眼が書かれている。
    • 余談だが、テキストの「はじめに」のページの授業の受け方についてに、「ノートを馬鹿丁寧にとるのは、本当の馬鹿です」とかかれている。ノートよりも、話を聞く事に集中しよう。
      • これは20年くらい前に何色もの色ペンを使ってノートを綺麗に取るというのが流行ったからであるとのこと。(笠原師談)
  • 具体的なカリキュラムは以下の通り。
     
    前期Part1前期Part2
    §1-1 力と運動方程式§2-1 運動方程式と束縛条件
    §1-2 単振動§2-2 運動量と運動エネルギー
    §1-3 円運動§2-3 2物体の相互作用
    §1-4 慣性の法則§2-4 静電場
    §1-5 力学的波動§2-5 コンデンサー
    §1-6 熱力学(1)§2-6 電流
    後期Part1後期Part2
    §1-7 磁束密度§2-7 熱力学(2)
    §1-8 電磁誘導§2-8 質点系の力学
    §1-9 過渡現象と交流§2-9 剛体のつり合い
    §1-10 半導体§2-10 万有引力下での運動
    §1-11 幾何光学§2-11 前期量子論
    §1-12 波動光学§2-12 原子核