英文解釈教室

Last-modified: Mon, 20 Apr 2020 09:54:16 JST (44d)
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英文解釈教室(えいぶんかいしゃくきょうしつ)は、伊藤和夫の代表的な学習参考書。研究社刊。
受験生がどう頭を働かせれば、英文の構造を読み解けるのかを伊藤師による独自の体系でまとめた1冊である。

概要 Edit

  • 伊藤和夫師の代表作である。1977年に出版された。
  • 師の山手英学院時代の幻の名著『新英文解釈体系』(有隣堂、1964年)*1の実質的改訂版である。
  • ビジュアル英文解釈基本英文700選新・英文法頻出問題演習など、他にも良く知られている著作があるが、英文解釈教室はそれらよりもさらに有名かつ影響力も大きい著作である。
  • 1980年代から1990年代前半にかけては、東大・京大受験生の定番書であった。
  • この本が大学受験英語業界に与えた影響は計り知れない。
    • 駿台はもちろんどの予備校でも、大抵の教師があたりまえのように構文を取る(構文把握を重視する)のは、この本、ひいては伊藤和夫の影響によるところが大きい。
  • 師の受験英語業界および駿台内における地位を不動のものにしたのはもちろん、東大はじめ難関大志望者向けの予備校として駿台が現在の地位を確立する上でも、一定の役割をはたしたといっていいだろう。

特徴 Edit

  • 英語のひとつひとつの文を文法的に分析・構文把握するために必要な知識を体系的にまとめ、紹介しつつ、実際の英文で練習していく参考書。ビジュアル英文解釈とともに、同種の参考書の、いってみればタネ本のひとつ。
  • 駿台の英語構文系の教材は、現在でも、この本で示された体系を規範として、生徒に教授するのを目標に編集されている。この本と英語構文S英語構文HAなどを比較してみればわかる。
  • 現在この本を受験対策としてこなすことが良いことなのかは、意見が分かれるところである。
    • この本をしっかり仕上げると原書を読めるだけの力がつく、今でも東大の上位合格者には愛用していたとの声が多い、と評する人もいる。
    • 一方、現在の受験生が使うには高度・オーバーワークとする人もいる。
    • 1980年代に「(北海道大学)合格者のほぼ全員が『英文解釈教室』を使っていた」*2という類の本である。
    • 最後の砦であった京都大学が2016年度に傾向を変え、重厚な出題がなくなってからは、役目を終えた本とも言われている。
      • 本書は精読のやり方を扱う本なので、速読を重視する傾向のある現在の受験英語の対策にはあまり向かない。
      • また、発行当時から「英文法を過度に体系化しすぎている」という批判もある。伊藤師もこれを認めていたようで、ビジュアル英文解釈はその反省から書かれたものであるという。
      • 一部では「化石」とまで評する声まである。
    • また文章が硬い・古いという声もあるが、他の参考書と比べての話である。岩波文庫の青・白、講談社や筑摩書房の学術文庫に触れている学生なら容易に理解出来る。
      • ただし、国語が苦手な学生、硬い文章を読み慣れていない学生は避けておいた方が無難だろう。
  • 伊藤和夫師がこれを出版しようとした当初、予備校講師のノウハウが外部に流出すると出版に反対する意見もあったそうだが、予備校の拡大成長戦略として予備校講師の著作物を出すのは有効であるとして論破したという。
  • 2017年に新装版が出版された。
  • 高橋善昭師による、独自に取り組む場合に効果的な(挫折しない)方法は以下の通り。
    ①1回目は例題を飛ばして、解説を熟読し、短文の和訳を作り、全体を前期のうちに終わらせる。
    ②2回目は短文を飛ばして、解説を熟読し、例題の全訳を作る。
    ③3回目は全体を通読する。
    ※いずれの段階でも、間違った箇所にマークをしておき、完璧になるまで攻める。
  • なお、師の晩年の時代から、入試問題の超長文化に伴い、「英文解釈」という用語(科目名?)は徐々に廃れて、現在は「長文読解」と境界線が曖昧な「英文読解」という用語が主流となっている。

シリーズ Edit

参考文献 Edit

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*1 初版4,000部で絶版
*2 七帝柔道記より