「読む」ための英文法

Last-modified: Mon, 29 Jan 2024 17:29:50 JST (88d)
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  • 田上芳彦師の著作
    • 駿台文庫では刊行から5年で絶版となってしまったが、2023年に『読解のための上級英文法』と改題し、研究社から増補改訂版が刊行されている。
    • 旧版は想定読者を難関大受験生に絞っていたが、増補改訂版は大学生・社会人もターゲットに加えたとのことで、紙面のデザインも一般書に近くなっている。
    • 改訂にあたって新しく30個ほどのトピックが追加され、解説や例文も多数差し変わっているため、原著の古本を探すよりもこちらを買う方がオススメである。
      (紙面のデザインが変わったためページ数は減っているが、1ページあたりの密度は改訂後の方が圧倒的に濃い)
  • 内容は「普通の参考書には扱われていないが、読解では頻出な文法項目」を辞書的にまとめたものであり、扱う内容は普通の文法書よりもかなりマニアックである。
    そのため文法の参考書といえども、中~上級者レベルの学生向けである点に注意が必要。
    • 現役でも高卒でも師が通常授業で文法を教える際の理念の1つは「読解に応用できる文法力」を養成することであり、この本にはそのエッセンスが詰まっている。
    • 英語構文S英文法Sで扱われる事項も載っているが、それらの教材よりもむしろ英語入試問題研究Sなどの読解メインの教材でよく見かける事項の方が多く収録されている。
    • 演習問題はほとんどなく、著者の解説が主体となっている副読本タイプの参考書である。目次や索引が充実しているので、まずは通読してみて、後から辞書のように引いて使うのが良いだろう。
  • 総括して、英語の基礎力が完全に出来上がっている生徒が、力をより伸ばすための文法参考書である。田上師曰く「全国模試で英語の偏差値が65」がひとつの目安で、そのレベルに達していない人は他のことをやるべきだとしている。
    • 高1、高2のSα英語を受けた人は良い復習プラス発展学習となるだろうし、高3から駿台に通うような人も準備として読んでおくと良いかもしれない。もちろん英語が得意な高卒生にもオススメ。
  • 田上師は文法面からの長文の分析に非常に優れており、膨大な数の入試問題を研究した上で作成されているので参考書の質は高い。田上師によると構想から完成まで10年以上を要しているそう。
    • クオリティに関しては旧版・改訂版ともに大島保彦師も太鼓判を押している。藤澤恒夫師や駒橋輝圭師も推薦していた。
    • 山崎竜成師は絶版を嘆き、改訂版が出た際にはその構成を賞揚しておられた。
    • 川上晃師も改訂版の刊行にうち震えておられた。

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