古文解釈の方法

Last-modified: Tue, 22 Dec 2020 12:22:24 JST (141d)
Top > 古文解釈の方法

 関谷浩著作。師の最初の単著であり、主著でもある。

概要 Edit

  • 当初は、伊藤和夫師の『ビジュアル英文解釈』や秋山仁師の『発見的教授法による数学シリーズ』などと同じ「駿台レクチャー叢書」の一冊だった。
    • 当時の図書目録の発売予定の仮タイトルは『ビジュアル古文解釈』だった。
    • 「駿台レクチャー叢書」は、「駿台レクチャーシリーズ」への改称を経て「駿台受験シリーズ」に統合された。
  • 税別951円。全256頁。
  • 関谷浩師の板書がそのまま書かれている。
  • 古典文法を完璧にこなした後にじっくりこなすと、読解力が飛躍的に向上する。

特徴 Edit

  • まず最初に「内容をおおづかみにする方法」を述べ、現代語訳の方法を説き、その後は活用から始まって、用言、助動詞、助詞、敬語と文法を項目別に学習していき、さらには和歌の解釈にも触れる構成になっている。
    • 時にすこし長めの文も扱い、また、解釈に関する内容にも触れてはいるが、全体としては古文文法が中心の本である。
  • 冒頭に述べられている「内容をおおづかみにする方法」は、当時の受験古文の参考書で触れられることはあまりなく、卓見といって良いと思う。
    • 第一講の中で構造的に読解する一方法として接続助詞に注目する方法を述べたことは、その後の予備校講師に大きな影響を与えたとされている。(岡田(2015)*1)。
    • その影響で、接続助詞の「を・に・が・ど(ども)・ば・ものの(ものを・ものから・ものゆゑ)」の前後は主語が変わりやすく、接続助詞の「て・で・つつ・ながら」の前後では主語が変わりにくいなどと説明する予備校の講師が、現在では多くなっている。(岡田(2015)*2。)
    • 多くの駿台古文科講師も上記の方法を取り入れていて、助詞の「を・に・ば・ど・ども」で本文を区切る講師も多い。
    • 本書の記述が独り歩きし、拡大して「『て』の前後は主語が同じ」という説明を施す講師が多くなっていったことが推測される。(岡田(2015)*3。)
  • 関東の古文科の講師の多くはこの本で説かれている方法論・知識をかなり参考にしているので、授業と併せて、予習や復習の際に傍らに置いて、随時この本に書かれている方法論を自身で実践することで、読解力が飛躍的に向上するだろう。
  • 関谷師のオリジナル講座古文解釈の追究」(夏期・冬期)はこの本との関連を意識しながら設計されている。
  • 本書に準拠した問題集として『古文解釈の実践 初級問題集』『古文解釈の完成 中・上級問題集』および、その改訂版である『古文解釈の実践Ⅰ』『古文解釈の実践Ⅱ』がある。

ーー

Amazon




*1 岡田誠(2015)「国語教育における古典文の主語転換の指導法」, 『國學院大學教育開発推進機構紀要』 (6), p.54, 2015-03, 國學院大學.
*2 岡田誠(2015)「国語教育における古典文の主語転換の指導法」, 『國學院大學教育開発推進機構紀要』 (6), p.54, 2015-03, 國學院大學.
*3 岡田誠(2015)「国語教育における古典文の主語転換の指導法」, 『國學院大學教育開発推進機構紀要』 (6), p.56, 2015-03, 國學院大學.