微積物理
Last-modified: Wed, 16 Dec 2020 13:32:28 JST (41d)
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- 微積物理とは、大学受験業界特有の用語で、微分積分学の概念や知識を用いて物理現象を理解しようとする考え方を指す。
- 大学で物理を学ぶ場合には確実に微分積分を用いる。
- 高校の物理では微積物理を一見使用していないように見えるが、実は微積は無意識に扱っている事が多い。
- 微分を使わないとどうしようもない場面では、高校教師や一部の大学入試問題はΔ(デルタ)を用いて近似を使ったり微分係数を定義から求めさせることで切り抜ける。これは高校生に一見微分を使っていないように見せるためである。
- 数学で例えると二次方程式について解の公式を使わずにわざわざ平方完成してから解いているようなものである。
- 『難問題の系統とその解き方』で有名な服部嗣雄先生は、微分ではなく有限の増分を使用して講義を行っていた。
- 実際、増分を微小化することで微分方程式が成り立ち、これを元に積分を行う。関数y=f(x)が連続でΔxが0に収束可能であれば、増分を用いた式は微分可能であり、増分Δx、Δyなどを用いて立式することは、微分の記号dx、dyと∫を用いずに微分方程式を扱っているのと同じである。
- 微分を使わないとどうしようもない場面では、高校教師や一部の大学入試問題はΔ(デルタ)を用いて近似を使ったり微分係数を定義から求めさせることで切り抜ける。これは高校生に一見微分を使っていないように見せるためである。
- 微分は数学でとっくに整備していることであり、高校物理は数学の複雑さを避けているように見えて、実は全然避けられていない。ゴチャゴチャと誤魔化しているだけである。
- 化学における「電子論」と同様、高校まででこの手法を経験しなかった人は大学物理で躓きやすい。
- 微積で物理を教わる場合、各単元を深く掘り下げながら勉強していくことになる。
- 予め予習などでその日の単元の全体像を掴んでおかないと、「今何について考察しているのか、何を目標に考察を進めているのか」を見失うことがあり、授業に置いていかれることがある。また、微分方程式がスラスラ解けるくらいの計算力があった方が良い。
- 理解が負担に変わらない学生であれば、解析的な理解により深い満足感が得られる授業となる。また、物理の本質的な見方・考え方を身につけることができるため、大学入試で高得点を狙いやすくなる。さらに、大学でも就職先でも通用する考え方に早いうちから触れておくことができるというメリットがある。
- 関東物理科は権威である故坂間勇師、山本義隆師の方針の下、この微積物理を積極的に用いる講師が多いが、関西物理科は「生徒が訳も分からず数式を振り回す危険がある」として、どうしても微積が必要な場合を除いて微積物理を忌避する先生が多い。
- 上記した関西物理科の趨勢からか、ライブ授業で微積物理を行う講師は少ないが、映像授業は関東の物理科の森下寛之師が担当のため基本的に微積物理を使った説明手法を取る。
- 要するに、微積物理を使用しない先生の方針は大学まで待てということであるが、余裕のある生徒は少し学習しても良いかもしれない。山本義隆著の『新・物理入門』がオススメ。
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