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*概論 [#u3dc22cd] -電子論とは、電子に着目して化学の世界をある程度統一的に説明する考え方である。
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*概論 [#u3dc22cd] -電子論とは、電子に着目して化学の世界をある程度統一的に説明する考え方である。 *特徴 [#ma8c6fbe] -有機化学の単元で用いられる。 --あらゆる物質は原子からなり、それらの原子は電子を媒介して結合している。そのため電子に着目することにより、結合の強度や反応性、延いては物質の構造や特性などを理解することができる。 --化学反応は、ツブとツブの結合の組み換えだと捉えることができる。結合の組み換えは突き詰めれば電子の振舞いなので、電子に着目することで、反応のメカニズムを視覚的に理解することができる。未知の反応を予測する際にも用いられる。 --理論化学分野において、エネルギー準位や混成軌道を解説する際に用いられているのは量子力学である。量子力学によって電子論の基礎づけを行っている。結合の状態を見たり、無機化学や有機化学などで反応のメカニズムを見たりする際に用いられるもの(電子対や曲げ矢印)が電子論である。 //<前期が終わると、量子力学の難しさから電子論に批判的な人が数多く現れる。しかし電子論が効力を発揮するのは、基礎づけにおいてではなくその応用においてである。実際、有機化学の授業はかなり分かりやすいので、まずはぜひそちらを受けてみると良い。例年、有機を学んだ後に評価を覆すものも多い> -電子論は高校のカリキュラムには含まれていない。 --しかし、大学では量子力学による基礎づけを行った後にゴリゴリ応用していく。 --基礎づけは大学1年生で紹介される。比較的易しい水素原子で量子力学的アプローチを行い、計算過程で3つの量子数(n, l, m)が出現することを確認する。 --いずれの計算過程も大学1年生には無理なので、要点だけ紹介される。詳細は大学で物理化学や物理学の専攻者のみが学ぶ。すなわち、多くの化学系大学生も電子論に対して厳密な理解や実際の計算方法を学ぶことを目的にはしない。 --大学生段階では、理論的に成立することは確認するが、むしろ「大雑把な概念を捉えて応用できるようにしていくこと」を目標にする。大学ほどではないが、%%%駿台の授業でも十分な基礎づけを行うため、ちゃんと学べていれば応用上の問題は生じない%%%。 -大学受験対策に電子論を用いる利点には以下のようなものがある --電子の挙動に注目すれば、その他ごく少数の知識(主にクーロン力と立体障害)と合わせて、結合の性質や反応のメカニズムを統一的に理解することができる。 --一見するとバラバラなように思えていた知識が非常にコンパクトな形に整理されていき、学習内容全体が見通し良く把握できるようになる。 --納得することで様々な現象を覚えやすくなり、実際に問題を解く際にもミスを減らせる。 --難関大で出題される大学レベルの内容を含む問題に対応しやすくなる。((当然、そういった問題には前提知識がなくとも解けるよう文章での説明が入るが、普段から電子論などを用いた思考をしていれば、単なる暗記で学んだものより対応しやすいだろう。)) --触媒や反応条件など、細かい知識までもが有機的に結び付いて理論が自然に納得できる。次に起こる反応が視覚的に見えるようになり、応用が利きやすい。 --暗記中心の方法で学習してきた学生は、大学に入ってから物理化学や有機化学で躓きやすい。 ---そのため、高校生のうちから少しでも電子論的な見方・考え方に触れておくことが推奨される。視覚的に反応の流れが見えるようになるので、幾分わかりやすい概念ではある。 //<駿台の指導法に致命的な瑕疵はない。わからない部分があるなら、駿台の責任ではなくその人個人の責任である。副教材を読むなり講師に質問しにいくなりすること。> //<また、化学は物理学ほど体系化が上手くいっている学問ではない。メカニズムが未解明の反応があったり、物質の発色の原理など理論が高度化する部分もある。暗記に頼るしかない部分が残るのは当然なことである。> -駿台に入る時点で、電子論や微積物理など高校範囲を少し超える解説がなされる点は、ある程度覚悟しておく必要がある。 --現役生であれば、通期でも講習でも担当講師を慎重に選ぶことによって、電子論や微積物理を回避することができる。本wikiの情報をよく参考にすると良い。 --浪人生の場合、駿台は科目ごとに自分のレベルに合った授業を受けられるシステムをとっていない。志望校のコースや模試の総合点でクラス配属がなされる。上位のクラスに入る場合、担当講師の運にもよるが、苦手な科目であっても難しい授業を受けなければならないことがある。 ---よって、%%下位コースの授業にもぐるか%%、授業を切って別口で映像授業などを受講することになる。 --駿台のメインの顧客層は「ハイレベルな学生」である。しかも、高校内容を既に学び終えている浪人生が多数を占める。彼らの知的好奇心を刺激し、学習の原動力を作るために、そして受験で圧倒的な実力をつけさせるために、上位のクラスで電子論や微積物理といった洗練された教授法が選択されるのは、ある程度合理的なことのように思える。 -もし、高校範囲を超える授業が耐えられない、そのような授業を行うべきでないと感じるなら、''そもそも駿台が向いていない''かもしれない。 --駿台は他の塾・予備校に比べて、アカデミズムを重んじる風潮がある。もちろん節度はあるが、学生の興味関心を重んじたり、少し大学の世界を見せたりする姿勢をとる講師が多くを占める。(だからこそハイレベルな学生が集まるともいえるだろう)。 --大抵の塾では力を注ぐべき科目とそうでない科目の戦略などを紹介するのかもしれない。しかし、駿台には全ての科目で本気の授業を行い、生徒各自に興味を持った科目をとことん突き詰めさせる風潮がある。 --「受験だけに目標を絞り、受験に関係ないことは一切したくない」というのも当然、有効な戦略の一つではある。が、そのような人が無理をしてアカデミズムを重んじる駿台に身を置く必要もないだろう。 -関西駿台化学科の有名講師の多くは、特に有機分野は電子論を用いて解説する方針である。 --各項目を深く理解しながら学習を進めていくため、予め全体像が掴めていないと付いて行くのがやや大変である。 --しかし、理解が負担に変わらない学生であれば実力がしっかりつき、統一的な理解により深い満足感が得られる授業になっている。 -関東の人気講師は石川正明師をはじめとする関西の方針に素直に賛同しており、石川正明師の指導方針を取り入れているケースも多い。たとえば吉田隆弘・景安聖士・増田重治・黒澤孝朋師などは石川師と同様有機電子論を用いる。 -講習での説明手法は担当講師にもよるが、映像の『有機化学(オンデマンド)』や冬期の『有機化学特講』などは基本的に電子論を使った説明手法を取る。 //-残念ながら、電子論を用いる有機の授業を切る生徒も存在する。
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