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化学特講Ⅰ(計算問題)
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> 化学特講Ⅰ(計算問題)
*設置校舎 [#f864b394] -全校舎 --お茶の水校では2号館と3号館両方での設置がある。 *概要 [#t33be2c1] -理論化学の計算問題を網羅的に扱う講座(有機化学の計算問題も少しあるが自習扱い)。 -化学講座の中で一番受講者が多い駿台伝統の人気講座。 --某K塾の生徒もわざわざ受けに来ていることがあるほど(K塾にもテーマ別の類似講座はある)。 -元々は石川正明師が始めた関西講座。 --初期は、化学計算が『化学特講Ⅱ』(石川正明編)、有機化学が『化学特講Ⅰ』(北山一編)だった。 --1996年度の夏期講習から関東以北でも開講された。 --1995年度までは小倉勝幸師の「化学計算問題特講」だった。 -なお、冬の『[[化学特講>化学特講(総合実力完成)]]』は「計算問題」ではなく「総合実力完成」なので要注意(無機化学や有機化学も扱う)。 --夏に受け損なうと、[[オンデマンド・サテネット講座>オンデマンドサテネット講座]]の『[[化学の計算>化学の計算(オンデマンド)]]』を受講するハメになる。 *特徴 [#c25b7fcd] -''([[HG>ハイグレード]])''講座である。 --もともとは6日間講座だったそうで、それを4日間で50分×12コマに圧縮したが、圧縮に無理があり、このコマ数ですべて終えるのは厳しい分量と判断されたせいか、4日間で50分×16コマで行う[[HG(ハイグレード)>ハイグレード]]講座となった。 --それでも延長する講師が多い。分野の特性的にもテキストの内容的にもまだまだ時間が足りないためである。 -特に化学平衡の分野はしっかり自習問題にも取り組めば、どんな入試問題でも対応出来るようになるだろう。難関大・医系志望者ともに受講価値は大いにある。 -元々、関西講座なのも相まってか、京大化学をかなり意識している。 --ただし、京大を志望するとして、計算問題だけに特化した講座なので、化学の分野(理論・無機・有機)をバランスよくこなしたいのであれば、「京大化学」を受講した方が賢明かもしれない。他大学も同様で、大学別講座の化学が有るならば、そちらを受講した方がよいかもしれない。化学の大学別講座は冬期講習ではどの講座も無機・有機を中心としたものであることにも注意したい。 -[[増田重治]]師曰く夏は『前期の復習→後期(特に有機)の予習→特講Ⅰで前期の復習が定着しているか確認しつつ(一部は後期予習)レベルの高い問題に触れる』が理想らしい。 -人気講師の場合は、ほぼ全設置講座が締め切りになる(年によっては増設される)。 --近年は、吉田隆弘師や黒澤孝朋師などは特に締め切られる可能性が高い。 *テキスト [#pf102558] -作成者は[[石川正明]]師。 --石川師は第一線を退きつつあり、関西講師も含め後継者が注視されている。 -厚い(年度にもよるが320~330ページ程度の厚さ)。 -要項ページが石川師著『新理系の化学』(上)(下)の文章を転用しているのがほとんど。 -テキストは大変良質で、直前期まで重宝する。受験会場まで持って行けるテキストと言っても過言ではない。 --詳細な説明がついているので、参考書代わりに使い解き方の完全習得をすること。これこそがテキスト作成者石川師の願い。(理解できる実力が付いていればの話だが)計算問題に関してはこの1冊をやり切れば、他の市販の参考書は必要ないといっても過言でない。 --しかし、有効数字の取り扱いが雑な箇所がある。2020年度のテキストの演習問題12の答えもそれによって誤っている。 ---これに限らず教材訂正を必ず確認しよう。 -テキストは''要項・基本演習・演習問題・自習問題''からなる。 --''要項''は、図説を交えて非常に理論的に詳しく書かれてはいるが、その分すこしハードルが高く、前提となる理論分野の理解が既に十分でないと、上手く読みこなせないかもしれない。化学の計算分野を可能な限り定量的に説明しているので、人によっては理解しづらい部分もあるかもしれない。後述するように、基本的にこの講座は難関大向けであるので、受講にはある程度のレベルが求められる。 --''基本演習''は、重要問題くらいの意味であり、基本と書いてるからといって易しい問題とは限らず、難しいものも混在している。逆に今現在ではあまり見慣れない問題もあったりする。 ---石川師いわく「難しい問題でも絶対にやっといて欲しいっていう問題は全部基本演習に入れときましたから、とりあえず基本演習と授業でやった演習問題を完璧にしてください。」「基本演習は簡単っていう意味じゃないです。これはやっとけっていう意味ですからね。」とのこと。 --''演習問題''は、授業で扱う問題。 ---イメージとしてはひとひねりを加えた典型問題くらい。増田師曰く「東大京大や医学部を受けるなら、夏の間に解けて当然なレベル」「予習で解けなかった分野は基礎が分かっていない、あるいは欠落していると言って良い」とのこと。 --''自習問題''は、その名の通り自習用の問題だが、基本演習・演習問題より概して難度が高めである。 ---解答解説が巻末に掲載されているが、あくまで略解であり、些末な小問は解答すら乗せられていない事も多く、やや使いづらい。 ---自習問題まで全て解けるようなれば、化学の計算問題に関しては完璧と言えるレベルには達するだろう。基本演習・演習問題・自習問題すべて一冊やり切るのも至難の業だが、これを一冊やり切れば、新たに市販の計算問題の本は買う必要はないと言っても過言ではない。 --掲載される問題は毎年見直されており、最新の入試問題も多く含まれている。 ---基本的には、演習問題は長年生き残ってきたであろう良問と最新の入試問題によって構成されている。 ---吉田師も、自身のTwitterで「さらに良いテキストになった」と述べていた。 ---一方たいへん昔に出題された入試問題も掲載されている。中には受講生の親が生まれる前の時代の問題も存在する。 ---気体関連の問題では、当時atmで出題されていたものもあり、改題されPaに直されてはいるが、その影響で計算が面倒くさくなっている問題がいくつか存在する。 -一般には、化学反応式と量的関係(化学量論的反応式)とは別に扱われる、化合物内での元素の質量関係、濃度計算、気体反応、有機化学(自習)も「第2章 化学反応での変化量計算」に含まれている。 -京都大学を意識してか平衡論に2章が割かれ、重点が置かれている。 -受講者の多い講座であり、テキストの活用法については様々な意見がある。以下を参考にしっかり自分で考えて、成績アップにいかそう。 --予習で自習問題以外はやっておくべきである。 --しっかり基本問題と復習に取り組むだけでも充分難関大学に対応出来る力はつく。 --演習問題は解けなければ最悪目を通して授業をうければ良い、など。 -2017年度から別冊『解答・解説集』が統合されて一冊になった。 --人によっては以前よりも使いにくくなった。 --一方で、印刷が綺麗になり、小さい文字も潰れることがなく、読みやすくなった。 -%%非常に完成度の高いテキストであるが、プリント授業の講師も多い。%% *授業 [#x9072bdf] -レベル:5-8 -分量も多く、レベルもやや高め。理論化学の全分野が既習であることが前提。 --知識・解法の体系化や一般化を目指している。この講座で身につけた型を元に、標準問題精講や新理系の化学問題100選などで演習を重ねると実力がつく。 -ただ、(例えば駿台の本科などで)化学をきちんと学んで来た人ならば、習うことは当然と感じるかもしれない。 --前期『化学S Part2』の講師がしっかりしていれば、前期で扱っておりダブる内容も多い。 *担当講師 [#a7cfb4cb] >''吉田隆弘'' >お茶の水校、横浜校、名古屋校、オンデマンド -やはり計算分野に定評がある講師。 -基本的にプリントを使わず、橋爪師同様に板書が中心。口頭説明が少し多い一方で深い内容に触れつつ授業を行う。板書は簡潔で図や式が中心なので、師の話を集中して聞き,適宜ノートに書き込むと良い。発展的な内容を扱う際はプリントを配布し,また一部の問題の解答はプリントで済ませる。 -基本事項は頭に入っており、基本演習はもちろん演習問題の予習をして来ていることを前提で進めるが,問題に入る前には★印を打って重要なポイントをまとめてくれる。これがとても分かりやすい。 -師の説明をしっかりと聞いていれば,この講座のメインでもある平衡分野に関する理解が飛躍的に上昇するだろう。合言葉は「全てはKへ」。 -当たり前であるが寝ているとブチギレて授業が止まる。周りのためにも眠気対策等しっかりしておこう。 -各日20分程度の延長をし、最終日は1コマ増える。 --時と場合による。ある夜タームでは各日0~15分に収めていた。 -特にドルトンの法則、ヘンリーの法則の説明から問題解説は圧巻の一言では言い表せないほど素晴らしい。 < >''橋爪健作'' >お茶の水校、池袋校 -2022年度はお茶の水校で4講座設置と一番多かった。 -特に計算分野の授業に定評のある講師で、大量だが綺麗でまとまった板書をして授業を行う(ただし一部の問題はプリントになる)。 -師の板書を写したノートは講習終了後にはクオリティーの高い参考書になりうる。 -各日数分の延長をする。また、チャイムが鳴ってもキリがいいところまで続けるので1日で合計して10-20分程度長めに授業をやって下さることになる。 -授業そのものはチャイムが鳴ってから始めるが授業開始3分ほど前に入ってきて進行予定等を述べるので早めに入室しておいた方が良いだろう。 -休み時間明けもチャイムと同時もしくはチャイムが鳴る30秒ほど前から講義を始められるので早めに準備すべし(恐らく延長時間を短くするため)。 -普段駿台で化学を受講していない場合にもオススメ。 -ただし授業は終始淡々としており、眠くなりやすいので注意すること。 < >''黒澤孝朋'' >お茶の水校、自由が丘校、吉祥寺校、大宮校 -原理に忠実な理屈の理解に加え、入試に対応するために「速く解く」ことも重視しており、かなり定評がある。 --計算問題を最短ルートで解くことに重きを置いている。 --「『解けたぁ〜!』じゃあないんですよ、『何分で解けたか』の方が大事なんですよ。ね?」 --特に、ヘンリーの法則の計算では、他の師からは教わることのできないシンプルで明瞭な解き方を教えて下さる。 -師の「授業中に完全な理解ができるように」という意図から、原則としてプリントを使わずに進める。 --これだけは覚えていないとダメ、という内容のプリントを配布する。○○熱の定義、など板書量を減らすことも目的だと思われる。授業で扱う用の数題の補充問題も記されていた。 -延長は化学科随一。 --ある年度の[[化学特講Ⅰ>化学特講Ⅰ(計算問題)]]AMでは1日目20分、2日目30分、3日目25分、4日目50分の計125分の延長を行った。4日目の50分延長の際は終講10分後に[[化学特講Ⅱ>化学特講Ⅱ(無機化学)]]の授業が入っていたため、さすがの師も苦笑いをしていた(昼ごはんをいつ食べているのだろうか)。 --ある年度の[[化学特講Ⅰ>化学特講Ⅰ(計算問題)]]では、延長をすることを予想され、延長が始まると雲師や大島師などが代わる代わる教室の後ろから入ってきたりしたことも。しかし、その日の午後の授業で雲師が10分程度延長をするという事件が発生したようで、翌日の授業で嬉しそうにその話をしていらっしゃった。当然その日は雲師は覗きには来なかった。 -吉田師や増田師らよりも幅広い層に対応している。 -頻出の問題についてはちゃんと理解した上で最終的な結果を一般化して覚えるようにと仰る。それにより大幅な時間短縮が可能になる。 < >''増田重治'' >お茶の水校、立川校 -基本事項、演習問題の解説、参考事項など情報豊富なプリントを毎日配りそれを用いて授業を行う。 -プリントをメインに据えた授業とはいえ、吉田師と同等以上に丁寧かつ質・量ともに高い板書をなさる。プリントだけでは頭に残りにくいという生徒は、同時も板書を写すのも有りだろう。ただ、プリントが前提のため消すのは早いので、プリントに書き込むと情報が1つに集められて良い。 -また、実際に授業で師が黒板を使って解く際、プリントに書いてある解法よりも、より洗練された解法をとることがある。その際には後日、その解法で作り直した解答をプリントにして配布してくださる。 -プリントには各種法則の証明のほか、電子論を用いた授業に定評のある師らしい解釈、計算の裏技なども載っている。 --また、クラウド経由で補充プリントや追加の問題(本講座テキストの弱点を指摘した上で、テキストにないタイプだが特に難関大学では出題されやすい形式のもの)も下さるので演習すると良いであろう(2019年度、師に確認したところ駿台にバレて怒られた為、配布はもうできないとおっしゃっていた)。 -2017年度では特に酸化還元反応を重視して授業が行われた。 --2020年度でも酸化還元反応を重視して授業が行われた。増田師曰く「酸化還元ができないなら、化学の6割を敵に回すようなもの。」 -各日20分程度の延長(最終日は+α)(年々延長の長さが減っている)。 < >''景安聖士'' >お茶の水校、横浜校、札幌校 -プリントを配るが板書も行う。 -プリントで基礎事項を確認、説明しつつ演習問題を解いていく。 --2018年度から印刷量削減のためにプリントが縮小印刷となったが,見づらい人は通常サイズを用意するので個別に申し出ることとのこと。実際かなり見づらいので貰えるなら貰った方が良いだろう。勿論クオリティの高さは健在である。 -この講座のメインともいえる、平衡の一般表示を用いた解法は参考として1題だけ扱い、それ以外は基本パラメーター表示の解法で解く。 -「基礎の学習」を大切にするよう仰り、各分野の基礎を題材としたプリントの例題が自分の基礎の甘さを痛感させる。現役生などそこまで得意でない人がとるにはもってこいの講座。 -延長はほとんどない。あったとしても中村師と同様5〜10分ほど。 -景安師はこの講座を中級から上級の生徒が受けるものと捉えているため,基本的な問題はプリントで済ませ,プリントの例題と同じものに関しては口頭での説明のみになる。他の講師が延長をする中、景安師はしないのはこのためと思われる。 -超人気の割に講座数が少ない上に、増設はしない。 -加えて、師の中経出版の参考書は理論分野のみ発売されなかったので、貴重な講座である。 < >''沖暢夫'' >お茶の水校、市谷校舎、池袋校、大宮校 -良くまとまったプリントを配布する。テキストの一部自習問題にも解説を加える。 -問題の出題背景などにも触れ、ハイレベルな受験者にも満足できる授業を展開する。 -遅刻や途中入室には厳しいので注意すること。 < >''高野辺康介'' >お茶の水校、大宮校、千葉校、津田沼校 < >''三上恭平'' >池袋校(2023年度はなし) -解説する順番はテキストの順番とは異なってくる。 < >''中村雅彦'' >町田校、横浜校(2020年度まで)、お茶の水校(2019年度まで) -中~上級者向け。 -板書中心に授業を展開。簡潔に基礎事項の確認をしたのち問題を解いてゆく。 -師の教え方に基づき、一部の問題だけ順序が変更される。ほんとは順序を変更したい問題がまだあるそう。 -模試を数多く作成してきた経験に基づき、計算問題において生徒が間違いやすいポイントを中心に講義していくため夏期の段階でもかなり実戦的な授業になる。通期で教わるような基礎の説明はある程度省くこともあるためその点において上位層向けの授業といえよう。 -とにかく「試験場で最も素早く解答を導けるようになる」ということを目標に解いていくため、あえて他の講師とは大きく異なる解き方を教えてくださる。 --師の講座の最大の特徴は特に酸・塩基の分野に表れる。本講座で多くの講師が扱う「平衡の一般表示」ではなく「共役酸と共役塩基」という考え方に基づいて問題を解説なさる。習得するのに慣れは必要だが、この考え方の威力は凄まじく、この分野の捉え方が大きく変わるだろう。 -師が易しいと感じた問題については授業中に問題を追加し演習を行ったり解説プリントを配布したりする。また、適宜「宿題」と称して問題の配布も行う(翌日に解説)。 -前期中に基礎を完成させた者にとっては実戦的な応用力が身につき、秋以降の演習で大きく飛躍できる。 -無駄なく素早く計算が解けるようになるが、その分上級者向け。上位層にとって得られるものは非常に大きい。 -各日5分から10分程度延長する。 -板書中心に授業を展開。簡潔に基礎事項の確認をしたのち問題を解いてゆく。 -酸塩基に関しては師の特徴である共役酸、共役塩基という概念に表に出して説明する。それによって緩衝液の問題の見方が大きく変わる。 -平衡の問題やヘンリーの法則もだいぶ見方が変わるので収穫のある講座となる。 < >''石井光雄'' >横浜校、浜松校 -橋爪師と同様、基礎から懇切丁寧な授業を展開するものの、板書のスピードは健在でかつ、板書量も多い。 --プリントも配る。 -各日延長は10〜30分ほどするが、基礎の解説は怠らない。 -いつ、どこの医学部で何が出たかを説明してくれるので医学部志望の人にオススメできる。 < >''西村能一'' >横浜校 < >''小原英樹'' >千葉校、津田沼校、仙台校 < >''早野益代'' >津田沼校 -平常授業で扱うものと同じ形式のプリントを使用する。 -テキストの解説中心ではあるが、プリントを用いて基礎事項もしっかりと確認してくださる。 < >''小山貴央'' >柏校、仙台校
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*設置校舎 [#f864b394] -全校舎 --お茶の水校では2号館と3号館両方での設置がある。 *概要 [#t33be2c1] -理論化学の計算問題を網羅的に扱う講座(有機化学の計算問題も少しあるが自習扱い)。 -化学講座の中で一番受講者が多い駿台伝統の人気講座。 --某K塾の生徒もわざわざ受けに来ていることがあるほど(K塾にもテーマ別の類似講座はある)。 -元々は石川正明師が始めた関西講座。 --初期は、化学計算が『化学特講Ⅱ』(石川正明編)、有機化学が『化学特講Ⅰ』(北山一編)だった。 --1996年度の夏期講習から関東以北でも開講された。 --1995年度までは小倉勝幸師の「化学計算問題特講」だった。 -なお、冬の『[[化学特講>化学特講(総合実力完成)]]』は「計算問題」ではなく「総合実力完成」なので要注意(無機化学や有機化学も扱う)。 --夏に受け損なうと、[[オンデマンド・サテネット講座>オンデマンドサテネット講座]]の『[[化学の計算>化学の計算(オンデマンド)]]』を受講するハメになる。 *特徴 [#c25b7fcd] -''([[HG>ハイグレード]])''講座である。 --もともとは6日間講座だったそうで、それを4日間で50分×12コマに圧縮したが、圧縮に無理があり、このコマ数ですべて終えるのは厳しい分量と判断されたせいか、4日間で50分×16コマで行う[[HG(ハイグレード)>ハイグレード]]講座となった。 --それでも延長する講師が多い。分野の特性的にもテキストの内容的にもまだまだ時間が足りないためである。 -特に化学平衡の分野はしっかり自習問題にも取り組めば、どんな入試問題でも対応出来るようになるだろう。難関大・医系志望者ともに受講価値は大いにある。 -元々、関西講座なのも相まってか、京大化学をかなり意識している。 --ただし、京大を志望するとして、計算問題だけに特化した講座なので、化学の分野(理論・無機・有機)をバランスよくこなしたいのであれば、「京大化学」を受講した方が賢明かもしれない。他大学も同様で、大学別講座の化学が有るならば、そちらを受講した方がよいかもしれない。化学の大学別講座は冬期講習ではどの講座も無機・有機を中心としたものであることにも注意したい。 -[[増田重治]]師曰く夏は『前期の復習→後期(特に有機)の予習→特講Ⅰで前期の復習が定着しているか確認しつつ(一部は後期予習)レベルの高い問題に触れる』が理想らしい。 -人気講師の場合は、ほぼ全設置講座が締め切りになる(年によっては増設される)。 --近年は、吉田隆弘師や黒澤孝朋師などは特に締め切られる可能性が高い。 *テキスト [#pf102558] -作成者は[[石川正明]]師。 --石川師は第一線を退きつつあり、関西講師も含め後継者が注視されている。 -厚い(年度にもよるが320~330ページ程度の厚さ)。 -要項ページが石川師著『新理系の化学』(上)(下)の文章を転用しているのがほとんど。 -テキストは大変良質で、直前期まで重宝する。受験会場まで持って行けるテキストと言っても過言ではない。 --詳細な説明がついているので、参考書代わりに使い解き方の完全習得をすること。これこそがテキスト作成者石川師の願い。(理解できる実力が付いていればの話だが)計算問題に関してはこの1冊をやり切れば、他の市販の参考書は必要ないといっても過言でない。 --しかし、有効数字の取り扱いが雑な箇所がある。2020年度のテキストの演習問題12の答えもそれによって誤っている。 ---これに限らず教材訂正を必ず確認しよう。 -テキストは''要項・基本演習・演習問題・自習問題''からなる。 --''要項''は、図説を交えて非常に理論的に詳しく書かれてはいるが、その分すこしハードルが高く、前提となる理論分野の理解が既に十分でないと、上手く読みこなせないかもしれない。化学の計算分野を可能な限り定量的に説明しているので、人によっては理解しづらい部分もあるかもしれない。後述するように、基本的にこの講座は難関大向けであるので、受講にはある程度のレベルが求められる。 --''基本演習''は、重要問題くらいの意味であり、基本と書いてるからといって易しい問題とは限らず、難しいものも混在している。逆に今現在ではあまり見慣れない問題もあったりする。 ---石川師いわく「難しい問題でも絶対にやっといて欲しいっていう問題は全部基本演習に入れときましたから、とりあえず基本演習と授業でやった演習問題を完璧にしてください。」「基本演習は簡単っていう意味じゃないです。これはやっとけっていう意味ですからね。」とのこと。 --''演習問題''は、授業で扱う問題。 ---イメージとしてはひとひねりを加えた典型問題くらい。増田師曰く「東大京大や医学部を受けるなら、夏の間に解けて当然なレベル」「予習で解けなかった分野は基礎が分かっていない、あるいは欠落していると言って良い」とのこと。 --''自習問題''は、その名の通り自習用の問題だが、基本演習・演習問題より概して難度が高めである。 ---解答解説が巻末に掲載されているが、あくまで略解であり、些末な小問は解答すら乗せられていない事も多く、やや使いづらい。 ---自習問題まで全て解けるようなれば、化学の計算問題に関しては完璧と言えるレベルには達するだろう。基本演習・演習問題・自習問題すべて一冊やり切るのも至難の業だが、これを一冊やり切れば、新たに市販の計算問題の本は買う必要はないと言っても過言ではない。 --掲載される問題は毎年見直されており、最新の入試問題も多く含まれている。 ---基本的には、演習問題は長年生き残ってきたであろう良問と最新の入試問題によって構成されている。 ---吉田師も、自身のTwitterで「さらに良いテキストになった」と述べていた。 ---一方たいへん昔に出題された入試問題も掲載されている。中には受講生の親が生まれる前の時代の問題も存在する。 ---気体関連の問題では、当時atmで出題されていたものもあり、改題されPaに直されてはいるが、その影響で計算が面倒くさくなっている問題がいくつか存在する。 -一般には、化学反応式と量的関係(化学量論的反応式)とは別に扱われる、化合物内での元素の質量関係、濃度計算、気体反応、有機化学(自習)も「第2章 化学反応での変化量計算」に含まれている。 -京都大学を意識してか平衡論に2章が割かれ、重点が置かれている。 -受講者の多い講座であり、テキストの活用法については様々な意見がある。以下を参考にしっかり自分で考えて、成績アップにいかそう。 --予習で自習問題以外はやっておくべきである。 --しっかり基本問題と復習に取り組むだけでも充分難関大学に対応出来る力はつく。 --演習問題は解けなければ最悪目を通して授業をうければ良い、など。 -2017年度から別冊『解答・解説集』が統合されて一冊になった。 --人によっては以前よりも使いにくくなった。 --一方で、印刷が綺麗になり、小さい文字も潰れることがなく、読みやすくなった。 -%%非常に完成度の高いテキストであるが、プリント授業の講師も多い。%% *授業 [#x9072bdf] -レベル:5-8 -分量も多く、レベルもやや高め。理論化学の全分野が既習であることが前提。 --知識・解法の体系化や一般化を目指している。この講座で身につけた型を元に、標準問題精講や新理系の化学問題100選などで演習を重ねると実力がつく。 -ただ、(例えば駿台の本科などで)化学をきちんと学んで来た人ならば、習うことは当然と感じるかもしれない。 --前期『化学S Part2』の講師がしっかりしていれば、前期で扱っておりダブる内容も多い。 *担当講師 [#a7cfb4cb] >''吉田隆弘'' >お茶の水校、横浜校、名古屋校、オンデマンド -やはり計算分野に定評がある講師。 -基本的にプリントを使わず、橋爪師同様に板書が中心。口頭説明が少し多い一方で深い内容に触れつつ授業を行う。板書は簡潔で図や式が中心なので、師の話を集中して聞き,適宜ノートに書き込むと良い。発展的な内容を扱う際はプリントを配布し,また一部の問題の解答はプリントで済ませる。 -基本事項は頭に入っており、基本演習はもちろん演習問題の予習をして来ていることを前提で進めるが,問題に入る前には★印を打って重要なポイントをまとめてくれる。これがとても分かりやすい。 -師の説明をしっかりと聞いていれば,この講座のメインでもある平衡分野に関する理解が飛躍的に上昇するだろう。合言葉は「全てはKへ」。 -当たり前であるが寝ているとブチギレて授業が止まる。周りのためにも眠気対策等しっかりしておこう。 -各日20分程度の延長をし、最終日は1コマ増える。 --時と場合による。ある夜タームでは各日0~15分に収めていた。 -特にドルトンの法則、ヘンリーの法則の説明から問題解説は圧巻の一言では言い表せないほど素晴らしい。 < >''橋爪健作'' >お茶の水校、池袋校 -2022年度はお茶の水校で4講座設置と一番多かった。 -特に計算分野の授業に定評のある講師で、大量だが綺麗でまとまった板書をして授業を行う(ただし一部の問題はプリントになる)。 -師の板書を写したノートは講習終了後にはクオリティーの高い参考書になりうる。 -各日数分の延長をする。また、チャイムが鳴ってもキリがいいところまで続けるので1日で合計して10-20分程度長めに授業をやって下さることになる。 -授業そのものはチャイムが鳴ってから始めるが授業開始3分ほど前に入ってきて進行予定等を述べるので早めに入室しておいた方が良いだろう。 -休み時間明けもチャイムと同時もしくはチャイムが鳴る30秒ほど前から講義を始められるので早めに準備すべし(恐らく延長時間を短くするため)。 -普段駿台で化学を受講していない場合にもオススメ。 -ただし授業は終始淡々としており、眠くなりやすいので注意すること。 < >''黒澤孝朋'' >お茶の水校、自由が丘校、吉祥寺校、大宮校 -原理に忠実な理屈の理解に加え、入試に対応するために「速く解く」ことも重視しており、かなり定評がある。 --計算問題を最短ルートで解くことに重きを置いている。 --「『解けたぁ〜!』じゃあないんですよ、『何分で解けたか』の方が大事なんですよ。ね?」 --特に、ヘンリーの法則の計算では、他の師からは教わることのできないシンプルで明瞭な解き方を教えて下さる。 -師の「授業中に完全な理解ができるように」という意図から、原則としてプリントを使わずに進める。 --これだけは覚えていないとダメ、という内容のプリントを配布する。○○熱の定義、など板書量を減らすことも目的だと思われる。授業で扱う用の数題の補充問題も記されていた。 -延長は化学科随一。 --ある年度の[[化学特講Ⅰ>化学特講Ⅰ(計算問題)]]AMでは1日目20分、2日目30分、3日目25分、4日目50分の計125分の延長を行った。4日目の50分延長の際は終講10分後に[[化学特講Ⅱ>化学特講Ⅱ(無機化学)]]の授業が入っていたため、さすがの師も苦笑いをしていた(昼ごはんをいつ食べているのだろうか)。 --ある年度の[[化学特講Ⅰ>化学特講Ⅰ(計算問題)]]では、延長をすることを予想され、延長が始まると雲師や大島師などが代わる代わる教室の後ろから入ってきたりしたことも。しかし、その日の午後の授業で雲師が10分程度延長をするという事件が発生したようで、翌日の授業で嬉しそうにその話をしていらっしゃった。当然その日は雲師は覗きには来なかった。 -吉田師や増田師らよりも幅広い層に対応している。 -頻出の問題についてはちゃんと理解した上で最終的な結果を一般化して覚えるようにと仰る。それにより大幅な時間短縮が可能になる。 < >''増田重治'' >お茶の水校、立川校 -基本事項、演習問題の解説、参考事項など情報豊富なプリントを毎日配りそれを用いて授業を行う。 -プリントをメインに据えた授業とはいえ、吉田師と同等以上に丁寧かつ質・量ともに高い板書をなさる。プリントだけでは頭に残りにくいという生徒は、同時も板書を写すのも有りだろう。ただ、プリントが前提のため消すのは早いので、プリントに書き込むと情報が1つに集められて良い。 -また、実際に授業で師が黒板を使って解く際、プリントに書いてある解法よりも、より洗練された解法をとることがある。その際には後日、その解法で作り直した解答をプリントにして配布してくださる。 -プリントには各種法則の証明のほか、電子論を用いた授業に定評のある師らしい解釈、計算の裏技なども載っている。 --また、クラウド経由で補充プリントや追加の問題(本講座テキストの弱点を指摘した上で、テキストにないタイプだが特に難関大学では出題されやすい形式のもの)も下さるので演習すると良いであろう(2019年度、師に確認したところ駿台にバレて怒られた為、配布はもうできないとおっしゃっていた)。 -2017年度では特に酸化還元反応を重視して授業が行われた。 --2020年度でも酸化還元反応を重視して授業が行われた。増田師曰く「酸化還元ができないなら、化学の6割を敵に回すようなもの。」 -各日20分程度の延長(最終日は+α)(年々延長の長さが減っている)。 < >''景安聖士'' >お茶の水校、横浜校、札幌校 -プリントを配るが板書も行う。 -プリントで基礎事項を確認、説明しつつ演習問題を解いていく。 --2018年度から印刷量削減のためにプリントが縮小印刷となったが,見づらい人は通常サイズを用意するので個別に申し出ることとのこと。実際かなり見づらいので貰えるなら貰った方が良いだろう。勿論クオリティの高さは健在である。 -この講座のメインともいえる、平衡の一般表示を用いた解法は参考として1題だけ扱い、それ以外は基本パラメーター表示の解法で解く。 -「基礎の学習」を大切にするよう仰り、各分野の基礎を題材としたプリントの例題が自分の基礎の甘さを痛感させる。現役生などそこまで得意でない人がとるにはもってこいの講座。 -延長はほとんどない。あったとしても中村師と同様5〜10分ほど。 -景安師はこの講座を中級から上級の生徒が受けるものと捉えているため,基本的な問題はプリントで済ませ,プリントの例題と同じものに関しては口頭での説明のみになる。他の講師が延長をする中、景安師はしないのはこのためと思われる。 -超人気の割に講座数が少ない上に、増設はしない。 -加えて、師の中経出版の参考書は理論分野のみ発売されなかったので、貴重な講座である。 < >''沖暢夫'' >お茶の水校、市谷校舎、池袋校、大宮校 -良くまとまったプリントを配布する。テキストの一部自習問題にも解説を加える。 -問題の出題背景などにも触れ、ハイレベルな受験者にも満足できる授業を展開する。 -遅刻や途中入室には厳しいので注意すること。 < >''高野辺康介'' >お茶の水校、大宮校、千葉校、津田沼校 < >''三上恭平'' >池袋校(2023年度はなし) -解説する順番はテキストの順番とは異なってくる。 < >''中村雅彦'' >町田校、横浜校(2020年度まで)、お茶の水校(2019年度まで) -中~上級者向け。 -板書中心に授業を展開。簡潔に基礎事項の確認をしたのち問題を解いてゆく。 -師の教え方に基づき、一部の問題だけ順序が変更される。ほんとは順序を変更したい問題がまだあるそう。 -模試を数多く作成してきた経験に基づき、計算問題において生徒が間違いやすいポイントを中心に講義していくため夏期の段階でもかなり実戦的な授業になる。通期で教わるような基礎の説明はある程度省くこともあるためその点において上位層向けの授業といえよう。 -とにかく「試験場で最も素早く解答を導けるようになる」ということを目標に解いていくため、あえて他の講師とは大きく異なる解き方を教えてくださる。 --師の講座の最大の特徴は特に酸・塩基の分野に表れる。本講座で多くの講師が扱う「平衡の一般表示」ではなく「共役酸と共役塩基」という考え方に基づいて問題を解説なさる。習得するのに慣れは必要だが、この考え方の威力は凄まじく、この分野の捉え方が大きく変わるだろう。 -師が易しいと感じた問題については授業中に問題を追加し演習を行ったり解説プリントを配布したりする。また、適宜「宿題」と称して問題の配布も行う(翌日に解説)。 -前期中に基礎を完成させた者にとっては実戦的な応用力が身につき、秋以降の演習で大きく飛躍できる。 -無駄なく素早く計算が解けるようになるが、その分上級者向け。上位層にとって得られるものは非常に大きい。 -各日5分から10分程度延長する。 -板書中心に授業を展開。簡潔に基礎事項の確認をしたのち問題を解いてゆく。 -酸塩基に関しては師の特徴である共役酸、共役塩基という概念に表に出して説明する。それによって緩衝液の問題の見方が大きく変わる。 -平衡の問題やヘンリーの法則もだいぶ見方が変わるので収穫のある講座となる。 < >''石井光雄'' >横浜校、浜松校 -橋爪師と同様、基礎から懇切丁寧な授業を展開するものの、板書のスピードは健在でかつ、板書量も多い。 --プリントも配る。 -各日延長は10〜30分ほどするが、基礎の解説は怠らない。 -いつ、どこの医学部で何が出たかを説明してくれるので医学部志望の人にオススメできる。 < >''西村能一'' >横浜校 < >''小原英樹'' >千葉校、津田沼校、仙台校 < >''早野益代'' >津田沼校 -平常授業で扱うものと同じ形式のプリントを使用する。 -テキストの解説中心ではあるが、プリントを用いて基礎事項もしっかりと確認してくださる。 < >''小山貴央'' >柏校、仙台校
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