基本英文700選

Last-modified: Wed, 02 Oct 2019 19:01:12 JST (13d)
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概要 Edit

特徴 Edit

  • 本書は、現在においても、毀誉褒貶相半ばしている。
    • 古風あるいは不自然な英文が多く現在では使用する価値がないという評価と、例え古風でも今なお使用価値は大いににあるという評価の対立する評価が並存している。
  • 否定的な側面からみれば、どちらにしろ古風であるのは衆目の一致するところであり、売り手である駿台文庫側ですら、本書の改正版の序文に「独特の硬質な文体」という言葉で、本書の英語が現在一般に使われる英語の表現とは異質であることを、ほのめかしているのだから、歴史的な役割を終えたのでは、ということもできる。
    • 現在駿台で教鞭をとる秋澤秀司師も英語が古風すぎて実戦的でないと指摘している。
    • 基本的に伊藤師の代表著作は熱心に薦める久山道彦師ですら、本書については一切触れない。例文暗記の話をする際も存在しなかったかのような扱いである。
    • コロケーションを無視した不自然な表現だけでなく、文法面・単語の意味面での誤りも多い本書は参考書として致命的で、そもそも本書の英語を参考にしてはならない、との主張もある。*1
  • 肯定的な側面からみれば、適時改正をほどこされてるとはいえ、初版が出版されたのは1968年であり、内容の古さは筆者の責任ではなく、たとえ部分的に問題があってもそれでもなお時代をこえて評価される部分がおおいにあることを肯定的にとらえる必要がある、ともいえるかもしれない。
  • 700選で学んだ者が、現在第一線で活躍する言語学者になったが、それでも尚改めてこの本を推薦しておられる方も事実存在する。
    • 1980年代、「『基本英文700選』を暗記すれば、わからない英文はなくなる」*2といった本であることを考慮すると良い。今から30年以上前である。
  • この本について、ある高名な英作文参考書に付属した例文集の剽窃であると言われていた(剽窃された側の著者がコラムで暗に批判していた)。
    • 『和文英訳の修行』(文建書房)のパクリとも言われるが、両書とも出典が同じ*3だから英文がダブっているだけとの説もある。
  • 現在の駿台英語科講師の意見を踏まえてまとめると、数十年前ならともかく、現代の入試対策という面で見ればあまり有用ではないと言えよう。どうしても読みたい人が参考程度に眺めるのがベターだと思われる。
  • 駿台生であった田中康夫氏も本書を推薦していた。*4
  • 和田秀樹氏も初期には本書を推薦していた。
  • 山口紹師によると、晩年の伊藤師は本書のことを「棺桶に持っていきたい」と語ったとのこと。弱点は本人にも認識されていたらしい。
    • また、晩年には「安楽死させたい」とも。そもそもとして、この本は例文暗記ではなく、構文を教えるために作った本らしい。それなのに例文暗記として認識されてしまい、売れに売れたため駿台文庫が儲かり、やめさせようにもできなかった。

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*1 『どうして英語が使えない?―「学校英語」につける薬』(ちくま学芸文庫、1996年) など
*2 朝日新聞、2013年11月13日
*3 『The New Art of English Composition』(泰文堂)
*4 『田中康夫の大学受験講座(POPEYE BOOKS)』(マガジンハウス、1988年)