化学特講Ⅲ(有機化学)
Last-modified: Wed, 03 Jan 2024 21:26:32 JST (84d)
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設置校舎
概要
- 「化学特講Ⅰ(計算問題)」と並ぶ駿台の伝統講座。
- 夏期講習の有機化学には、他に初学者向けの「夏からの有機化学」や映像講座「有機化学」もある。
- 「高3スーパーα化学」では前期で、高卒生はPart2後期で有機化学を扱うので、「化学特講Ⅰ(計算問題)」ほどの圧倒的な人気はない。
- よく言えば、有機化学は選択の幅がある。
特徴
- 難関大学向けの授業ということもあり、また高卒生であれば有機は後期に授業があるので、受講する必要有とするか無とするかは、人による。
- 受講をすすめる意見としては以下のようなものがある
- 受講しなくてもいいという意見には以下のようなものがある。
- この講座自体が京大、東北大、東大など有機最難問を出す大学を志望する生徒向けとなっているのでそれ以外の大学を志望する人にはオーバーワークかもしれない。
- 有機は後期Part2でやるので、高卒校内生はほぼ受講する必要がない。
- 現役Sα生も前期と内容が被るので、前期の復習に注力すべきとのこと。(吉田師談)
- 前期の『高3スーパーα化学』のテキストの方が難しく、内容も被っているため現役Sα生は取らなくて良い。それよりも前期の復習をちゃんとやってほしいとのこと。毎年そうは言いつつもかなりの数の生徒が『化学特講Ⅲ』を受講し、ほとんどの生徒は「前期授業とほぼ同じだった」と言うとのこと。(中村師談)
- 実際、高3Sαは前期で天然有機と高分子化合物まで終わらせるのに対し、この講座は芳香族までしか扱わない。
- ただ講座の問題数は過剰すぎるくらい多いので、そこは高3Sαとは違う。
- 『夏からの有機化学』と『化学特講Ⅲ(有機化学)』どちらをとるべきかでも意見は割れている。
- 構造決定だけをやりたい等であれば『【短期集中】有機化学演習』を受講することが好ましいという声もある。
テキスト
- テキスト作成者は星本悦司。
そのうち、増田師作成になるのではないかと言われている。
- テキストは異常なほど分厚い。
- 驚異の390ページ超。
- 市販の参考書を凌駕する詳しさ。わからない時の辞書としても機能する。
- 質についてはさまざまな意見がある
- 演習問題は10題、自習問題は約60題収録されている。
- テキスト後半には、完全な初心者向けの知識やトレーニングのページまであり、まさに至れり尽くせり。
- 2016年度までは「解答・解説集」が別冊だった。一冊になり印刷は綺麗になった。
- 欠点は、分厚いにもかかわらず索引がないことや、誤植が多いことくらいだろう。
- ただ、星本師編集になってからは、電子論はあまり重視されていない。
- ちなみに、2016年度までは、100ページ予習を進めるよう前書きにあった。この初日の予習が終わらないのであれば授業についていくのは少し厳しかったが、2017年度のテキストからこの記述は削除された。
- 関東勢の多くの講師はテキストは問題を見るくらいにしか使用しない。
- ので、問題ページ(演習問題)だけコピーして持っていくと軽くて良いかもしれない。
授業
- レベル:5-8
- (HG)講座である。
- 有機の前半分野(脂肪族・芳香族)を扱う。
- 授業は内容の濃いものとなるが、その分授業でやることが多く、HGながら授業展開は早いので注意。
- オススメは黒澤孝朋、増田重治、吉田隆弘、高野辺康介、小原英樹。
担当講師
- 特に有機化学に定評があり、"有機の黒澤”の異名を持つ。
- 構造決定問題が難しいことで有名な東北大の実戦模試の有機分野を任せられていただけあり、構造決定の問題の解説にかなり定評がある。
- 中村師や増田師ほど深く突っ込んだ有機電子論を用いた反応機構の解説は行わないが、反応機構を納得して理解することに十分な電子論を用いた解説を行う。
- 師は問題を早く解くことを意識して講義をするので、問題解説ではどのようにして時間を短縮しながら問題を解くかを見せながら解説する。
- 付け焼き刃のテクニックや誰も見たことないような解法を使うわけではなく、文章を読む上での注意点や師の経験則からその問題に対して気づいておくべき点など教えてもらえる。
- 適度に反応機構の理屈を理解して、構造決定問題をどう解いていくか習いたい人におすすめの講師
- かなり延長する。最終日は22:30頃まで延長する
- 「有機の増田」と称されるだけあって、化学特講Ⅲの担当者と言えば師と言われることも多い。
- 井龍名義時代は担当校舎の全授業が締め切ることが当たり前で、教科を超えて取りにくい講座の一つだった。
- 名義変更後は、残席も少しは残るようになっている。それでも校内生受付の段階では締め切り、増設になる。
- テキストは基本的に問題解説以外では使わない。
- 90ページ近い膨大なプリントを配布して授業を行う。
- 高校生が理解出来るギリギリのところまで大学範囲を織り込んでおり、非常に質が高い。市販では到底手に入らないだろう。
- いつも通り、話している内容のほとんどはこのプリントに書かれている。より理解するための図や関連事項を板書や口頭で示すので、適宜余白に書き込めば良い。
- 2019年はA4だったそう。現在は以前と同じB4である。
- 極めて高度な授業ゆえ、受験範囲を相当に凌駕している。
- 点数がある程度取れるのを前提として、根源の理解をスッキリさせたい・深い理論を渇望している生徒には化学を統合的に考えるための非常に良い手助けとなる。
- 一方で、化学そのものがまるっきり苦手な人・有機化学をゼロから始める人にとっては、相当厳しい内容となる。
- とはいえ、師は初歩の初歩から説明してくださるため、プリントを参照しながら綿密に予復習を行えば、授業に付いていくことは十分可能である。実際筆者は教科書を眺めた以外に有機の勉強をしたことが無かったが、この講座を増田師で取り根源的な理解と構造決定問題の解法を習得することができた。
- 師自身が認めているが、京大・東北大以外でこのレベルの見方が求められることはない。東大や単科医大であっても参考になるというレベルである。
- なので、自分の志望校がどの程度の有機化学を出題するのか理解した上で授業に臨むのが一番良いと師は仰っていた。もし基本的な内容に限られるようであれば、この講座の受講価値、特に増田師で受ける意味は無い。むしろ時間の無駄になりかねない。
- ハイレベルコースの生徒が「有機は井龍で完璧だぜ」などと言っていたが、そんなことは全くなかったという話もある。有名だからといって安易に選択するとかなり痛い目にあう授業なので注意。
- 電子軌道関連、特に混成軌道や共役・共鳴の解説に初日全てを費やす。
- また構造決定の手解きも丁寧に説明してくださる。増田師が言うところの「推理」のプロセスである。
- その分、問題解説はかなりの早さ、人によっては雑に感じるほど瞬時に終わってしまう。一つ一つ丁寧に解説してもらいたい人には向かないかもしれない。
- 以前は毎日大延長だったが、最近はあまり延長しない。
- 有機電子論を用いて、反応機構を分かりやすく教えてくださる。
- 一通り基本事項を学習した後に受講すると、バラバラに覚えた知識が繋がっていくことが実感でき、師もそう感じて欲しいとおっしゃっている。
- やや、基本事項の網羅性には欠ける恐れがあるので、初学者ならば一通り教科書などを読んでから、受講するとよいだろう。
- 授業態度にはやや厳しいので、居眠りや内職などはするべきではない。
- 演習問題の解説は、師の思考過程を自分で再現できるよう、メモを取るべき。それを元に復習すると、構造決定の問題は必ずできるようになるだろう。(もちろん、復習あってこそだが)
- 中上級者向け。一応頑張れば初心者もついていけないことはない。
- 師の授業に限って、構造決定が出来るようになることに主眼が置かれた講座ではない。
- 問題の解き方を重点にしたいのなら他の講師を検討した方が良い。
- 普段、高校では反応を暗記しておけ知っとけと言われる有機化学反応を理屈を知って理解していく講座であると前もってお話される。
- 講義問題には重点を置かない。解答プリントを配布し、それを用いて主に口頭で説明して終わらせるレベル。その分反応機構の説明が濃い。
- その割には、講義問題の他に補充問題、宿題を配布する。
- 最初から最後まで反応機構の説明に終始する。もちろん電子論の説明もしてくれる。
いつも通り師の特徴である共役酸共役塩基の説明もある。- なお、自分が話す内容は、大学で習ったのを焼き直しして話すだけらしい。
- 何事もなければ普段通り温厚であるが、居眠りすると一回目はただの注意。それに懲りずに居眠りを続けると退出するよう言われるので注意。
- 質問対応は冷たくない。逆に講義について自虐してくることがあるので素直に良かった点を教えてあげるのが良い
ーー
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