講師陣/英語科

Last-modified: Thu, 07 Dec 2023 10:00:11 JST (140d)
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あ~お Edit

青木利夫秋澤秀司朝岡浩史阿部杏子池田浩二稲名圭子井深康入野田克俊岩井俊一大賀ひろし大澤紀博大島保彦大原正幸小笠原洋悦苧川貴史落合浩一小野貴彦

か~こ Edit

甲斐基文(鈴木海太)、勝田耕史加東憲吉加藤泰弘叶野敏郎狩野良規神坂明生海蒲生範明川上晃川上武河野みひろ千葉一馬(木村浩司)、木村暢之久保岳夫久保田智大久山道彦栗原雅幸小出寛古川暁古野泰生小林俊昭

さ~そ Edit

齋藤英之斎藤寛斎藤資晴斉藤由貴夫坂井孝好阪元利和佐藤昭佐藤譲佐山竹彦澤村圭一嶋谷洋嶋田順行清水一成鈴木貴之

た~と Edit

高橋アキラ高橋秀夫高橋康弘田上芳彦竹井幸典武富直人竹中太郎伊達麻子塚越由美乃東條希常世乗勝戸澤全崇

な~の Edit

中村杏子

は~ほ Edit

袴田隆一原志保原嶋修司原田恵日永田伸一郎東内誉志久野真隆菱沼英俊平野剛士平林みどり平柳和哉廣田睦美福沢稔之藤澤恒夫藤戸英行船岡富有子古舘克洋

ま~も Edit

増田悟三浦淳一水島雄一郎水田律子水野卓宮永裕己武藤みど里持田哲郎

や~よ Edit

山際伸治山口広俊山口裕介山口玲児山崎晃山崎正人山崎竜成山中まり山本譲 横田竜麻

わ~ Edit

渡辺輝晃渡邊典子渡辺良一

英語科講師概説 Edit

指導方針 Edit

  • 日本における英語教育の基盤を造り、「受験英語の神様」と称された故・伊藤和夫師が築いた駿台ならではの「構文主義」が今なお息づいている。
    • 基本的に「英文の構造を把握(=『構文を取る』)し、必要に応じて和訳しながら内容把握しつつ、最終的には(難しい文以外は構文を取らずに)英語を読んで内容がすぐに理解できる『直読直解』が出来るようになることを目指す」という方針である。
  • 伊藤和夫高橋善昭時代に比べて、駿台内でも入試問題の傾向に合わせて多様な授業を展開する講師が増えている。
    • ただ全体的に見れば、精読・構文・文法を重視する傾向が強い(要するに「構文主義」の立場をとる講師が多い)。マクロ読み(パラグラフリーディングなど)・多読を主体とする非構文主義の講師も一定数いるが、どちらかと言えば少数派である。「構文は必要な時だけ取れればいい」として両方を重視する講師も一部いる。
    • パラグラフリーディング主体の授業を展開する講師は、生徒からの評判がやや下がる傾向がある。精読型の講師は比較的評判の良い講師が多い(パラリー派講師の授業の質が悪いという訳ではなく、単に生徒からの人気の話である)。精読派の人気講師陣がそろってパラリーをくさすのも原因の一つかもしれない。
      • 構文主義英語を学ぶために駿台に通っている人も多いため、駿台生にパラリーや多読の評判が悪いのはある意味当然とも言える。
      • しかし大まかな傾向として、マクロ読み重視の講師は上位クラスを、構文・精読重視の講師は下位クラスを担当することが多い(特に市谷校舎で顕著)。
      • 特に「文法は得意だけど長文になると点数が取れなくなる」という人は、マクロ読み重視の講師の授業を選ぶようにするのも一考ではある。
    • 竹岡広信師は「(伊藤和夫師が現役だった頃は)構文を取る、という伊藤先生のやり方がベストであった」という旨のことを述懐しておられ、良くも悪くも、文法訳読法ならではの古き良きアカデミックな雰囲気を残した授業形態とも言える。
    • 高卒クラスの場合、講師は固定されているため最悪の場合全く合わないということもある。もしそうであれば、授業を切ることも考えよう。時間だけは無駄にしないように。実際、英文読解Sは切る人が多い。
    • 久山道彦師は「特に英語は教え方の違いがあるが、それは大学でも同じであるため、自分にあった講師に付いて行けばよい」とおっしゃる。
    • 大島保彦師曰く、教え方には講師の出身学部の色が出やすいとのこと。法学部は文法や用法を細かく照らし合せていく授業、文学部は背景知識を下敷きに大局的に文章を読む授業、外国語学部は流暢な言語の完成を目指す授業・・・といった感じらしい。もちろん文学部出身でも文法を細かく教えてくれる講師もおり、一概にそうとは言えないが参考の一つにはなる見方であろう。
      • そう言っている本人は文学部ではあるものの学科は哲学科。また、もう一方の人気講師であるコバトシも東京大学文学部哲学科出身である。
      • 大島保彦師が直々に後継者に指名している久保田師も東京大学文学部出身である。
  • 多読や添削の充実といった授業方針などを売りにしている塾の合格体験記では、多くの人が「○○の授業を受けたら駿台英語は物足りないと感じた」と語っている。
    一方で駿台英語の授業を支持する人も存在する。合う合わないは人それぞれなので、現役生も浪人生も塾選びは慎重に。一年を棒に振ることになる。
    • 構文重視の勉強のみを続けていると、長文問題で構文や文法に目が行き過ぎて文章全体が読めなくなってしまうことがあり、これを駿台英語の欠点として敬遠する人もいる。講習ではこれを解消するための講座がいくつか開講される。
      また、構文は帰国子女など英語が既に出来る人にとっては逆に足かせになってしまうことがあるため、そのようなタイプの人は特に注意して受講すべきである。
    • 現在の大学入試英語は全体的に超長文化が進んでいる傾向がある。これを背景として、一文一文の構造分析による精読よりも多読による量への慣れを重視すべき、という意見もある。関東駿台でこの立場を取る講師は少ないが、関西駿台では竹岡広信師がこれに近い主張をされている。
      • 「読解の足腰となる精読を積み上げる必要があるが、ある程度習熟した後は多読に移行したほうが良い」とする立場の講師も多い。
  • 総じて、精読にはめっぽう強いが速読による長文対策にはやや弱い。
    • 良くも悪くも構文一辺倒すぎるきらいがある。これは『英文解釈教室』などの伊藤師の著作が、いずれも「難解な構造の英文をいかにして日本語に紐解いていくか」という英文解釈の方法論を主眼に置いており、その手法が現在でも受け継がれていることによる。
    • 京大などのような精読が必要な大学の英語対策には定評があるが、東大・早慶上智・医学部・近年の東工大などに代表される、厳しい時間制限で難解な長文をきちんと処理できるかを問う大学や、構文把握よりも内容理解に重きをおく大学の対策はややカバーしきれていないところがある。
    • 特に、近年急激に超長文化が進んだ東工大英語は、全くと言っていいほど対応できていない。
    • 構文把握はもちろん大切ではあるのだが、これらの大学は長文全体の内容理解・高速処理に焦点を当てた出題をしており、精読だけで合格点を取ることは難しい。
  • また、多くの駿台生が目指すであろう最難関レベルの大学でアカデミックな学びを得たいならば、TOEFL iBTやIELTSなどの試験で高いスコアを取ったり、英語論文や専門書を日常的に読みこなしたりするための速読速解スキルが必要になる。しかし「英文を見たらまず構文を取って訳す」という読み方しかできないと、このような高速処理をすることが難しくなる。
    • 加えて、英文解釈ベースの文法教育を受けていると、意味内容を把握することではなく、日本語に訳すこと自体が目的になってしまいがちになる。
      この結果、日本語に頼らないと英語が読めない癖が付きやすく、さらにはリスニングやスピーキングが全く出来ないという状態にも陥りやすい。この問題については、駒橋輝圭師が4技能試験を念頭に問題提起している*1
    • 駿台伝統の丁寧な英文解釈は、一文一文の意味を徹底的に精読させる出題にはとても相性が良い。だがどうしても読解速度が落ちてしまうため、伊藤師の晩年頃から増えてきたような、一定以上の難度の長文の読解問題を大量に出す形式には太刀打ちできなくなりがちである。竹岡師が「伊藤先生の頃はあのやり方がベストだった」と述懐されていたのもこういう意味なのかもしれない。
      • 速読やパラグラフリーディングを貶したり精読を推奨したりする講師が多いため、「英文解釈と精読=正統派」「それ以外=邪道」という一面的な見方に染まってしまう駿台生が多いが、英文解釈・精読も多読・速読・パラグラフリーディングも共に重要かつ必要なメソッドであり、どちらが絶対的に良いというものではない。柔軟に切り替えながら勉強していくのが理想である。
      • 実際、多読は読解速度を上げるのに効果的であるので、精読にこだわりすぎず多読も適宜実践していくと良い。ある程度精読の基礎がついたなら、あとはどれほど多読して英語のシャワーを浴びたかがものを言う。精読一辺倒・多読一辺倒ではなく、両方を使い分けて実践していくと効果的。
      • 「速読の練習を積みたい」という人は、最悪、駿台以外の他塾で英語を習うことも検討するとよい。
    • 大島師は「精読と速読、どっちもそこそこできる人が結局一番良い点数を取るんだよね」や「すべて構文を取るやり方からは"離陸"しなければならない」とおっしゃっている。
  • 近年では構文主義を批判する英語教育者も増えつつある。
    • 例えば多読による英語教育で有名なSEG英語科は、「(SEGは)文法も精読も否定しませんが、構文を解析して、日本語での思考を介在させながら英文を理解するという方法は、内容を理解する速度が遅すぎて実用にならない」と批判している*2
    • 駿台では多読を重視する講師であっても構文と和訳を主体とした授業をすることが多い一方、「多読が出来れば精読の力もつく」という方針の他塾もある。
  • 河合塾とも方針が大きく異なる。
    • 駿台では構文教材の予習に英文の全訳を書いてくることを求めるが、河合塾ではその方法を愚の骨頂としており、英語の勉強では無いという講師もいる。(駿台にもこのような考えの講師はいるが、少なめである)
    • 特にこの方針の違いが構文のテキストに表れており、駿台のテキストでは文章に下線部が引かれておらず全文を訳すものとなっているが、河合塾のテキストでは下線部の該当箇所のみを訳すものとなっている。
    • 一文一文の構文を取って全文を読んでいくことを是とする駿台、構文偏重を嫌いバランスの良い読解スタイルを是とする河合塾の方針の違いと言えよう。
      • もちろん河合塾にも一文一文構文を取って全文を読んでいく講師はいる。例えば、関西河合塾英語科のBIG4である刀禰泰史先生は、伊藤和夫師を尊敬しているためか、かなり駿台チックな講義をする(浪人時代に駿台で伊藤師に習っていたらしい)。

講師陣 Edit

  • 上智閥が形成されているのも特徴である。(斎藤資晴師・勝田耕史師・武富直人師・甲斐基文師・竹中太郎師・岩井俊一師など)
    • 無論、学閥と言ってもあくまでも出身大学が同じで比較的仲が良いというだけであって、実際に彼らが他大学出身の講師たちと対立しているわけではない。
    • 近年は東大閥が隆盛している。
  • かつては関東と関西で対立が激しい教科であった。その名残で東西で指導方針が異なる部分が多い。
  • 特に伊藤和夫師が英語科主任だった頃は当時の関西主任であった表三郎師を中心に関西で構文主義を批判する講師が多かった。*3
  • 読解は未だに東西で別のテキストである。
    • オンラインコースや授業配信をするようになったせいか、2021年度からとうとうテキストが統一された。
  • 関西駿台竹岡広信師も特設単科のテキストの前書きで、構文主義を批判している。
    • もっとも竹岡師は関西のテキストも痛烈に批判し、さらには現在の英語教育そのものをも批判しており、関東駿台の方針のみを批判しているわけではない。
    • 竹岡師は構造分析自体を否定しているのではない。師も構造分析の重要性は認めている。あくまで(一部の講師やテキストで見られるような)過度な構造分析を批判しているのである。
    • 大島師などのスタンスとあまり変わらない点もあるが、竹岡師は「精読よりも多読」というスタンスだという点が決定的に異なる。
    • そんな竹岡師だが伊藤和夫師に関しては尊敬の念を抱いている。
  • 季節講習のコア講座も一部を除き、東西で中身が完全に異なっている。
  • これまでに太、青木、渡辺、鈴木海の各師は、関西校でも授業を担当した。
  • 大島保彦師と小林俊昭師が人気講師の双璧である。
    • ただし二人とも中・上級者向けの講師であり、苦手な生徒を引き延ばすタイプでないことに注意。中下位レベルの生徒向けの講師は多くない。
    • 大島師は大局的に文章を読むための授業を展開するが、一方でコバトシは一文一文をしっかり読み込んでいくイメージで一文からできるだけ多くのテーマを拾おうとする授業を展開する。
    • この両師は同じ東京大学文学部哲学科卒だが、授業スタイルはかなり異なっている。
    • 特に大島師は上記の通り雑談が多いため、効率を求める現役生には必ずしもオススメとは言えない。
  • また「駿台らしいアカデミックな授業」と言うように、英文の内容から展開される教養雑談で生徒の知的好奇心を刺激するのは、恐らく大島保彦師と久山道彦師の「二彦」による授業のみと言っても過言ではない。
    • 両師共に文学部哲学科出身(大島師は東大文学部、久山師は京大文学部)。読書量、言語能力、海外渡航数、趣味などに裏付けられた幅広い教養は他者の追随を許さない。
      • 経歴、体型、髪型だけでなく授業の内容や雑談にも共通点は多い。プライベートでも交流があるようだ。
      • 両師共、英独仏羅希ヘブライ語を習得している言語のスペシャリスト。
    • 一方で授業の雰囲気は対照的。詳しくは個人のページを参照。
    • 文法事項や語源に関する教養においては小林俊昭師も引けを取らない。もっとも、師の文法・語法に関する知識は雑談としてではなく、明快な例文や説明と組み合わせて講義の一部をなすよう計画されている点で二彦とはやや異なる。もちろん、コバトシ師も英文の内容に関連する雑談をしてくださることはある。
  • 小林俊昭師の授業におけるアカデミックさというのは、あくまでも英語史や言語学に留まり結局は受験英語に帰結するというのが売りである。それ故、言語系統の教養に関しては二彦よりも深くなるが、科学や芸術には触れられないということに注意したい。
  • 誤解のないよう追記しておくが、小林俊昭師の授業で教養雑談が無い訳ではなく、大島師、久山師に比べ短めではあるが、文章をより深く理解するために文章に関連した話をコバトシ師がしてくださる事は多々ある。コバトシ師の教養の深さをその時垣間見れるだろう。
  • 若手の層が薄いことが難点。
    • 上記の東大英語研究グループも皆還暦超えである。中堅講師が脇を固めているのでしばらくは大丈夫かもしれないが難点ではある。
    • 秋澤師のように確かな実力があるにも関わらず、お茶の水校での担当が少ない講師もいる。
    • それだけ今のベテランの層が厚いということなのかもしれない。
  • 若手の講師も徐々に台頭してきている。
  • 音読を勧める講師は多い。
    • 音読そのものは勧めているが何度も繰り返すことには否定的な講師もいる。(蒲生師など)
    • まれに英語科講師以外にも音読を勧める講師はいる。(三宅崇広師、松井誠師など)

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*1 駒橋輝圭, 「シンポジウム 今後の英語教育のあり方:各外部試験の特徴と指導内容の方向転換の提案」, 『駿台教育フォーラム』第30号, 2015.
*2 https://www.seg.co.jp/tadoku/reference/itou-kazuo.htm
*3 もっとも、表師は伊藤師の構文主義に対して批判していたのであって、両者の仲自体は良好であった。