佐藤治雄

Last-modified: Fri, 29 Dec 2023 11:27:42 JST (113d)
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佐藤治雄(さとう はるお)は、元駿台予備学校英語科講師。故人。2017年度をもって引退した。2号館,3号館,8号館,池袋校,津田沼校に出講していた。

経歴 Edit

  • 1942年生まれ
  • 巣鴨高等学校卒業
  • 早稲田大学教育学部卒業
  • 1966年、巣鴨高校英語科教諭
  • その後、池袋の英進予備校、武蔵予備校の英語科講師に転職
  • 1983年、駿台高等予備校へ移籍

授業 Edit

  • 長年駿台で教鞭をとってきた経験から、受験生の躓きやすい箇所や独学では見落としがちな盲点を熟知しているため、このようなポイントは時間をかけてしっかり解説してくださるので、授業内容を丁寧に復習すれば相当力になる。嚼めば嚼むほど旨く、あとからジワジワ有り難みの分かってくる授業である。
  • 構文の授業では、文構造が複雑でも、まさにプロフェッショナルと言うような語りで、どう読めば良かったのかが理解でき、また、その文章で直訳から上手い意訳にどう持っていったかもわかる。配布する訳例の日本語はとてもきれいで学習の参考になる。
    • 文章の解説をする前に少し前置きを入れる。
    • 小説の解説では情景をイメージできるような解説をする。
  • 文法の授業でも、一文一文しっかり精読し、あつかわれている文法はもちろん、問題のテーマ以外の事項も事細かに指摘していく。
  • どの授業でも、発音・アクセント・語法など、担当教材にでてきたことについては、全て指摘してくれるので、復習時に学習がはかどる。
  • 文章に出てきた単語をまとめたプリントを配布する。
    • 派生語や対義語なども載せてくれているプリントで、復習時に役立つ。
  • 単語といえど出来れば一つ一つじっくりと解説してあげたいと思っているそうで、時に単語の語源など発展的考察を加える場合もある。
    • 発音・アクセントも日頃から意識的に学習することを薦めている。
      • カタカナ英語の弊害を主張し、受験英語においても発音記号を教えるべきと考えている。
      • 師が作成したプリントには各単語の第一アクセントの位置が記載されている。
  • このように、テキストの要点を多角的に検討して行く授業であるため、必ず何かしら収穫のある授業である。テキストがやさしすぎると言う理由だけで授業を切ってしまうのは、非常にもったいない。
  • 板書量はほどほどであり、構文等で重要な 箇所や熟語・単語を体系的にまとめて板書する。
    • 黄・赤・緑の3色チョークを使うが、何故か緑が一番大事なトピックである。
  • 口頭解説も多く、そこにも大事な事が多い。メモ必須。
    • その際、英文の重要な箇所に「ケバいアンダーラインを引いて」と言う。
  • 年間を通じ、適切なタイミングで学習法もフォローしてくださる。
  • 駿台での長年の経験からか、50分授業の時間の使い方が大変上手。一切の無駄がなく、誰でもついて行けるゆったりとしたペースで授業が進む。
  • そのためやや単調で、眠気を感じる事があり、ウトウトする人もちらほらいる。
  • 昔はあまり生徒を当てなかったようだが、最近では眠そうにしている生徒が「眠気覚ましだよ」と言われてよく当てられる。
    • 教室の生徒数が少ない場合は全員が2回ほど当てられることもある。
  • チャイムと同時に始まる校舎もあるので、2分前には着席しておいたほうがよい。
  • 通期や季節講習の初回の授業では最初に前置きをする。
    • その内容は教材のレベル設定や授業を受ける際の心構えなど常に決まっており、ベテランの風格を感じさせる。
    • その際、最初の毛髪ネタを聞くことになる。
    • なお、講習になるとですます口調になる。
  • また、毎回の授業開始時も、まるでアナウンサーのような綺麗な日本語で前置きをしてから授業にはいる。
    • 「それでは前期・後期〜回目の授業を始めます。今日は〜ページからです。」
  • 「500円あげるからこの問題できた人手挙げて〜」と言って正答率を確認することも。
    • より正確には、生徒に手を挙げさせた後で「この問題ができた人は後で講師室に来たら、500円あげるよ…って言いたいくらい偉いんだからね。」と仰る。

担当講座 Edit

通期

直前Ⅰ期
直前Ⅱ期

出講なし

高校生クラス

人物 Edit

  • 本来であれば、高橋善昭師の後継主任候補の一番手であったが、後進の大島師中心の合議制に移行したため、傍流的なポジションになった。
    • 高橋師退職後も引き続き一橋大は佐藤師が担当していた。
  • 知る人ぞ知る駿台英語科の重鎮であった。
  • 晩年はすこしづつ授業のコマ数を減らしていった。
  • 派手さはないが、人柄も紳士的。受講の機会に恵まれたら、安心してついて行けば良い。
  • 小林俊昭と同じくパンフの写真と髪の毛関係で異なっている。
    • 授業中にも自虐を含んだ毛髪ネタを言うが、それに笑っていいのかは意見の分かれるところ。
    • パンフの写真は昭和から変わっておらず、画質も他の講師のと比べると著しく劣っている。2000年ごろに一瞬変わったにもかかわらず、すぐにいつもの写真に戻った。髪の量が少なく見えたことを気にしたのであろう。同時期に、鳥飼師も同じことがあった。しかし、鳥飼師は髪量は歳の割に多かったので理由が全く分からない。
      • ベテラン講師の中では、大島保彦師、田上師の写真が2017年度から新しくなったが、師の写真は相変わらずである。
  • 重要なことを生徒に印象付けるために、「toはトゥー達点なんだからね」「forはフォウ向なんだからね」など、くだらないギャグを発する。実にくだらないのだが、師の口調と共に意外と記憶に残る。
    • 本人が言うには、「高級」なギャグが好きなようである。
      • 「私のギャグは吉本より高級なんだからね。いいかい?」
    • 古文科松井誠師が、和歌の掛詞について話す時にネタにしていた。
      • 「相手に思いを伝えるために一生懸命なんだよ! この中で佐藤治雄先生わかる人いる?親父ギャグ言うよね、どう思うよあれ!? あれもね、みんなに思いを伝えるために一生懸命やってるんだよ!」
  • ネイティヴスタッフに「過去完了形を正しく使える英語講師は駿台にいない」と言われて以降教え方を変えたとのこと。
  • タバコを吸っていたので肺を悪くしたために授業中激しく咳き込むことがある。
  • この間病院に行ったところ、担当医師が20年前に市谷校舎で教えていた生徒だったそうだ。
  • 携帯、インターネットはしない。師曰く「携帯なんざ帰り掛けに買うことだってできるさ、でも大切なものを見失うような気がしてね。」
  • (大学に入ってから)本を読むことを強く勧めている。
  • アガサ・クリスティーの本を全て(通勤の合間に)英語で読んだ。
  • (そんなに頻度は多くないが)保守的な発言をする。
  • 学生時代、佐々木高政著『和文英訳の修業』を用いて英語を勉強したようである。
  • 高そうな金色の腕時計をつけているのに「私は貧乏だからね」とか言う。
  • ダライ・ラマに似ている。
  • 仲本浩喜師と確執があり、仲本師が代々木ゼミナールに移籍した一因ともされる。

発言録 Edit

  • 「マジに予習をしてくださいね。」
  • 「かっこに入れるのは"かっこいいん(in)"だからね。」
  • 「whatをみたらわっとしてないでカッコに入れるんだよ」
  • 「私は不毛って言葉はあまり使いたくないんだよね。髪の毛のことを連想するから。」
  • 「(92年の夏期講習で)髪の毛は色や長さや形じゃないよ、髪の毛は有るか無いかだからね?いいかい?」
  • 「授業中にした間違いは講師室に来て言ってくれればその場で現金500円をお支払いしま……………するとは言っていないからね?いいかい?」
  • 英語のsoは日本語のそう!」
  • 「私はそろそろ駿台を辞めようかと思うんでね、クビじゃないからね?」
  • 「これは良い悪いの話じゃないからね?いいかい?」
  • 「このemployはuseの意味だよ、こうやって融通を利かせるの。」
  • 「勘(con)狂う(clu)じゃん!(sion)(→conclusion)」
  • 「このthatはざっと(that)見ただけじゃ正体わかんないんだよね、いいかい?」
  • 「commandの意味がわかんないと、試験場でこまんどー」
  • 「Forはフォウ向(方向)だからね」
  • 「toはトゥー達点(到達点)!!」
  • 「occurは,オッカナイ時に使うんです。」
  • 「アクセントは正しくなければいけないからね?いいかい?君たちがshampooを買いに行くときは、すみませんシャン↑プーをくださいって、日本語でも正しいアクセントで言わなくちゃいけないからね?いいかい?」
  • 「throughはスルッと」
  • 「onはdondon(どんどん)」
  • 「私はこのencourageという単語が嫌いなんです。(励ます(ハゲ増す))
    • 「いつまで笑ってるんだい。次に進むんだよ。いいかい!」
  • (テキストにサインを求められて)「Nothing is given us in this life without much labour.」
  • 「入試本番直前になると勉強に自信がなくて採点をする教授を脅迫する輩もいるんですね。そんな時ある教授はこう言いました。『第1志望はゆれない!』ってね」

高3スーパーα英語総合オリジナルテキスト Edit

  • 通常の高3スーパーα英語総合とは異なるテキストを使用して授業を行う。
  • 佐藤治雄師が作問を担当した全国模試や一橋実戦、直前講習の一橋プレがもとになっている。
  • 昔の「最上級の英文読解」の講座のテキストを流用しているようだ。(現在の季節講習と文章が被ることはない)よって内容は少なくとも5年以上前の問題となる
  • 設問としては、内容説明、客観、要約があるが、「読めれば問題は解ける」ために和訳がメインである。
  • 文章としては、比較的人文社会的な内容が多い。小説も扱う。
  • テキストの和訳は別プリントで配布される。要約問題を扱った時は要約の手順が書いてあるプリントを配布する。
  • テキスト準拠の単語・語法・例文のプリントを配布する。ここには時間の関係から授業で扱えなかった事項や、入試でよく出題されるが世の受験参考書にはあまり載っておらず他の受験生と差をつけることができる事項、さらに単語の語形変化やアクセント、熟語の同内容表現(英作文で有用性がある)まで載っている。
  • このテキストに準拠した単語・語法・例文の確認テストを行い、師が採点をし、返却を行う。

テキストのはしがきから Edit

  • 「有害無益な悪文を別にすれば、今日の日本の大学入試では恐らくこれが限度であろうと思われる英文を集めてみた。」
  • 「文系・理系を問わず、一人一人が英語のオーソリティーになったつもりで、できることなら『英語が恋人』のつもりで、この教材と取り組んでもらいたい。来年の入試当日に出題される英文が平易に感じられれば、この教材及び授業はその目的を果たしたことになるであろう。」

著作 Edit

  • 基礎徹底そこが知りたい英文読解―大学入試攻略 (駿台受験シリーズ)・共著
  • 英語必修例文600―読解と作文のための構文集(基礎~発展) (駿台受験シリーズ)
  • 英文読解口語文問題演習 (駿台受験シリーズ)・絶版

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