伊藤和夫の英語学習法

Last-modified: Fri, 10 Mar 2023 14:36:24 JST (407d)
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伊藤和夫の英語学習法は、駿台文庫から刊行された英語の学習参考書。

著者:伊藤和夫
出版社:駿台文庫
価格:757円 (税別)
ISBN:978-4796120272
初版第1刷発行:1995/12/12
判型:A5判
取り扱い:絶版

概要 Edit

  • 伊藤和夫師が自身の英語の学び方を纏めた本。
  • 師本人と2人の生徒との対話形式で、例文を挙げながら進んでゆく。
  • 師の本で学ぼうと考えている人は必読。各書のレベル感や位置付けが示されている。
  • 初期の頃は、ビジュアル英文解釈などと同じく「駿台レクチャー叢書」の一冊だった。
  • 駿台ブックスの一冊として出た 『必ずワカる 英語の学習法』の改訂版。

特徴 Edit

  • 師の英語習得のエッセンスが詰まった一冊。
  • 単語・文法・読解・作文各々について、個別に章を立てて詳しく解説している。
  • 大学別対策について触れた章もあり、情報は古いが、基本となる考え方は今でも役立つ。
  • 登場人物はI先生、G君、N君の3人。I先生は師本人、R君は一浪の教え子(恐らく"浪人"のR)、G君は師と初対面の高3生(恐らく"現役"のG)である。
  • リスニング(本書では Hearing)には僅か3ページしか割かれていない。ここは1995年初版の古さを感じさせる。とはいえ、書かれている内容は昨今の入試対策においても重要なことばかりである。
  • 師が自著について解説するのはこの本くらいである。はしがきにも「自分の書物について語るというタブーをおかすことになったのを恕していただきたい」と書かれている。
  • 英文法教室』(研究社,1979) についての記載はない。当時すでに用済みだったということか。
  • p.91 の一覧表には、師の参考書がフローチャート形式で纏められている。
    ただし、本書の刊行当時『英文解釈教室 入門編』、『同 基礎編』、『同 改訂版』及び『英文法のナビゲーター』はまだ発刊されていない。
    参考までに概要を書くと、

    (読解力養成)ビジュアルIビジュアルII
    (英文和訳)入門編→基礎編→中級編
    (総合問題)入門編→基礎編→中級編
    }→ テーマ別長文読解,上級編(英文和訳),上級編(総合問題),要旨大意
    (p.86「5冊のうち2冊もやればいいんじゃないか」)
    英文解釈教室
    (文法)ICシリーズ
    {→ (文法熟語解法)新・英頻
    →(文法の理解)構文詳解

  • 前作の『必ずワカる…』からは、Chapter 3, 4が大きく書きかえられている。

    必ずワカる 英語の学習法(駿台ブックス3)
    著者:伊藤和夫
    出版社:駿台文庫
    ISBN:978-4796123037
    出版年月:1986.12
    判型:新書判

  • 本書内で登場する本は以下の通り。

    赤尾好夫『英語基本単語集』(旺文社)
    (p.7「私の単語記憶法」で登場)
    鳥飼和光英語の発音・アクセント総仕上げ 改訂版』(駿台文庫)
    (p.10「入試の単語問題」で推薦)
    赤尾好夫『英語単語熟語の総合的研究』(旺文社)
    (p.11「単語集の歴史」で登場)
    森一郎『試験に出る英単語』(青春出版)
    (p.11「単語集の歴史」で登場)
    『コンサイス英和辞典』(三省堂)
    (p.13「英英の辞書」で登場)
    Concise Oxford Dictionary (Oxford)
    (p.13「英英の辞書」で登場)
    『ロングマン現代英英辞典』
    (p.15「辞書の使い方」で推薦)
    『現代英英辞典』(開拓社)
    (p.15「辞書の使い方」で推薦)
    研究社新英英辞典』(研究社)
    (p.15「辞書の使い方」で推薦)
    江川泰一郎『英文法解説』(金子書房)
    (p.33「文法の勉強法」で推薦)
    『徹底例解 ロイヤル英文法』(旺文社)
    (p.33「文法の勉強法」で推薦)

構成 Edit

CHAPTER 1 単語をどう覚えるか
単語はいくつ必要か / 単語力と読解力 / 辞書の引き方 / 意味の確認 / 単語学習の目標 / 意味の限定 / 私の単語記憶法 / 派生語の取扱い / 単語とcontext / 入試の単語問題 / 単語集の使い方 / 単語集の歴史 / 単語の内部構造 / 語呂合せ / 英英の辞書 / 辞書の使い方 / 熟語とは何か / 本来の意味と訳語との区別 / 記憶と理解 / 熟語問題対策 /「頻出問題」パートII / 熟語の範囲 / 基礎からのやり方 / 受験勉強のコツ
CHAPTER 2 文法をどう生かすか
文法は必要か / 文法の習い方 / 文法教育の歴史 / アメリカ式改革 / 母国語と外国語 / 言葉と言葉 / 学習の幼児化 / 私の考え方 / 文法の限界 / 文法の勉強法 / 学生の変化 / 練習問題での訓練 / 文法の重要性 /「頻出問題」の学習法
CHAPTER 3 読解力をどう養うか(I)—読むことと訳すこと—
構文の重要性 /「フィーリング」の嘘 /「英語で考える」/ 英文理解の手順 / 読むと同時の理解 / 絵画鑑賞と英文理解 / 言葉の理解と音楽 / 読むことと訳すこと / ダイレクト・メソッド / 媒介としての日本語 / テストの意識 / 学力と視野 / 単語の理解→語集合の理解 / 基礎からの再出発 /「解釈教室」と「ビジュアル」/ 下線部を訳せ /「下線部を訳せ」の意味 / 直訳と意訳 / 下線部訳と全文の訳
CHAPTER 4 読解力をどう養うか(II)—速読とは何か—
「総合問題演習」の変節 / 高校入試の長文問題 / 無意味な問題 / 情報の検索 /「飛ばし読み」の中味 /「分かって」いるから分かる / 英文の再構成 / 先取りの能力 / 速読派の根拠 / 英語漬けの教え方 / 現場からの証言 / 速読の内容 / 探し物大会 / Yes and No / 英文の内容の難しさ / 小説の文章 / 問題の素材の推移 / 入試のための教養 / テキストの復習法 / 復習の目標 / 視野のせまさ / 副読本の選択 / 副読本の読み方 / 対訳本と翻訳 /「解釈教室」の特異性 / 条件付きの「文法」/「構文詳解」と「解釈教室」
CHAPTER 5 作文力をどう伸ばすか
英作文——その現状 / 私大入試の英作文 / 英作に代る問題 / 整序問題 / 英作文問題の2種類 / 復文問題 / 翻訳問題 / 翻訳の本質——切捨と付加 / 翻訳問題への対応 / 日本語の確認 / 有害な勉強 / 訳せる所を訳す / 模範解答の仕組み / タテマエの英作問題 / 和文和訳の嘘 / 英文の暗記 / 解釈と作文のレベル差 / 英文の時代差 / 700選批判 /「外人」の意見 / 死んだ英語 /「外人」の限界 / 新傾向の問題 / 要領のよさ悪さ / 誤った勉強の傷あと
CHAPTER 6 志望の大学にどう対処するか
大学別の勉強法 / 予想問題の当否 / 志望校の過去問題 / 入試問題の約束 / 過去問題のやり方 / 大意要旨問題 / 私の教え方 / 記述式の内容設問 / 字数指定の意味 / ○×問題の対策 / ○×問題の矛盾 / 欠陥問題の存在 / 会話体の問題 / Hearing の対策 / 最後のまとめ

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